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これからのビジネス・スタンダード!?オーダーメイドスーツのすすめ


オーダーメイドスーツというと、テーラーに出かけて何度もフィッティングを繰り返し、完璧にフィットする完全ハンドメイドの一着を作り上げるというイメージがあります。またそれだけ手がかかるものだけに、価格も高額。おおよそ自分とは縁のないものと考えている方も多いはずです。ところが、最近では驚くほど低価格で、しかも面倒な手間なくスーツを仕立ててくれるお店が増えてきています。自分のためだけにつくられた世界にに一つだけのスーツというと、ちょっとくすぐったい気もしますが、ときめきを感じるのもまた事実。そうやってオーダーメイドで自分好みにあつらえることこそがファッションの醍醐味であり、またスーツをまとった時に心の余裕を生むことにもなります。既製服からオーダーメイドへ、思考の回路を転換するだけで、毎日の生活がずっと豊かになるオーダーメイドスーツ、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

日本人が既成のスーツを着こなすのは難しい!?


これからのビジネス・スタンダード!?オーダーメイドスーツのすすめ

 

パリのファッションウィークやピッティウオモなどで見かける西洋人による洗練されたスーツスタイルと自分のそれとを見比べ、そのあまりの違いに愕然とするなんていうこと、オシャレ感度が高い人ほど経験があるものです。あんなにカラフルでデザインの効いたスーツをどうしたらあんな風にスマートに?と好奇と羨望とが混ざった複雑な眼差して見つめていたはずですが、そんな心のわだかまりも、オーダーメイドが解決してくれるかもしれません。というのも、見本市会場で彼らが着ているのは、ほぼ例外なくオーダーメイドスーツ。カラーやデザインについての知識もさることながら、スーツをオシャレに着こなしている最大の理由は、サイズがぴったり合っていることにあります。

さらにスーツ自体が西洋で誕生したもの。当然のことながら西洋人の体格に合うように作られています。だから日本人が既製のスーツをうまく着こなせなくても無理はありません。一般に日本人がより小柄というだけでなく、似ているようで、体の各部位には大きな差があります。

例えばスーツをオシャレに着こなす上で重要な「胴回り」について、欧米諸国と日本の統計資料とを比較すると、日本人の平均胴囲が82.9cmしかないのに対し、フランス人は92.3cm、アメリカ人は99.4cmと10cmから18cm近くの大きく違いがあります。これでは海外で作られた既製品を着てもどこか不格好なのは当然。これまで、肩幅はジャストなのに脇の辺りにゆとりがありすぎるとか、身頃のサイズ感を優先すると袖丈が合わないとか、不具合を感じつつも妥協しながらスーツ選びをしてきたという方も多いのではないでしょうか。スーツを着こなすには根本的な「最適化」対策が必要なのです。

また、体に合わないスーツは見た目だけが問題ではありません。体の動きを制限したり、動くたびに不必要なノイズを生じさせるなど、想像している以上のストレスを体に与えてしまっているもの。仕事をスムーズに進めるパートナーであるはずのスーツが、知らず知らずのうちに足を引っ張っていては本末転倒。洋服を輸入して100年以上も経つというのに、これでは洋服文化の成熟は望めそうにありません。

 

時が満ちた感のあるオーダーメイドスーツ


これからのビジネス・スタンダード!?オーダーメイドスーツのすすめ
出典:https://lafabric.jp/customlife/order-suits-tokyo/

そんな現代の多くのビジネスマンが抱えているであろうスーツにまつわる諸問題は、オーダーメイドすることで解決できます。しかも、価格や手間などでいよいよ機が熟した感があり、あらゆる面で難なく手が届く今こそ、一足先にオーダーメイドスーツを試すのにうってつけです。

もちろんスーツをオーダーメイドするといっても内容はいろいろ。何度も仮縫いを繰り返し、仕事内容やライフスタイルに合わせてディテールを作り込むフルオーダーから、既製品を試着し着丈・袖丈のほか、デザインやボタンなど限定的に修正するパターンオーダーまで、希望や予算に合わせて選ぶことができます。とりわけオススメなのが、イージーオーダーと呼ばれるもの。フルオーダーと違い、あらかじめ用意されたパターンをベースに若干の補正を加えるもので、手軽に安価にスーツを仕立てることができます。これまで高級な印象のあったオーダーメイドですが、仕立てにかかる価格は2万円以下からと量販店の既製品と同等あるいはさらに低価格を提示しているお店もあるようです。それでも数百種の生地の中からの生地選びや数十カ所の採寸など、これまでに体験したことのない仕立てのプロセスを経ることで、スーツや洋服全般への意識がじわじわと高まるのを感じることができるはずです。ビジネスマンとして一皮むける、もしかしたらそんなきっかけにもなるかもしれません。ちなみに納期は最大でも1ヶ月ほど。普段使いのスーツなら、ちゃんと段取りさえしておけば、決して長すぎる期間ではないと思います。

価格以外にも、仕立てにかかる手間や時間が惜しいという方も少なくないでしょう。そんな方にオススメなのが、ネット注文です。オーダーメイドとインターネットとは相容れないようにも思えますが、これがいまどきのスーツの買い方。欲しいスーツについてある程度イメージができあがっていて、サイズの測り方さえわかっていれば、わざわざ時間を割いて店頭に出向くことなく、パソコンなどの端末操作だけで注文できるお店も出てきています。

これからのスーツ選びは「ブランド」から「人」が基準に


これからのビジネス・スタンダード!?オーダーメイドスーツのすすめ
出典:http://personalstylist-navi.com/personal-stylist-tailor/

既製品の中から自分の体に合うスーツを探すには、いくつものお店をまわって、デザインやカラーのほか、肩幅や身頃、袖丈など、素人だてらにいくつもフィッティングポイントに注意しなくてはいけません。ところが実際は、それらを事細かに独力で検討するには無理があり、好みのブランドをいくつか当たってみるということが多かったはずです。そうしたいわば特定のブランドを贔屓にすることで、なんとなくイメージに近いものが見つかり、満足の行く買い物はできたと思います。

他方、オーダーメイドでは、仮に簡易的なものでも、客観的な視点をもったプロの見立てが介入するので、細かなフィッティングポイントを意識する必要がなくなります。さらに信頼できるテーラーさえ見つかれば、どんな生地を選べばいいか、またシルエットやデザインについても相談できるし、あれこれ面倒と感じるなら、丸ごと任せてしまうことだってできます。つまり探し物を見つけにいくというよりは、何が自分に一番いいのかを発見するという感覚に近い。これからのスーツ選びのポイントになるのは信頼できるテーラー、つまり「人」という言い方ができるでしょう。

またこれからは、着る側、作る側もスーツやテーラリングについての知識を育てておきたいところです。テーラーには、仕事が丁寧であることは当然ですが、トレンドやなど幅広い知見が求められます。国内ではスーツをオーダーメイドする慣習が長く失われていたせいか、都市部でも老舗と呼ばれるテーラーの中には、今の感覚からするとあまりにクラシカルで「ダサい」としか言いようのないスーツしか仕立てられないお店もあるようです。手軽で安価なイージーオーダーから始めて、いずれ自分の好みや着用する環境、他に持っているスーツのことなど、周辺的なことにも配慮してくれる良質なテーラーと付き合えるようになりたいものです。

 

まとめ


ビジネスマンにとってスーツとは、最も長いあいだ身を包むもの。その意味では、最も大切な洋服とさえ言えますが、スーツについてはあまりに多くのことが語られすぎていて、どれが信用にたるのかさえ判断さえつかず、情報の真偽について教えてくれる人が必要なほどです。膨大な情報のなかからエッセンスを抽出して知識を蓄え、納得のいくスーツを自分自身で選びとるのもファッションの楽しみ方の一つですが、信頼できるプロとともに自分だけの逸品を作り上げる方が、よりスマートでモダンな方法であるような気がします。
国内にもテーラー技術を教えるアカデミーが増えてきました。需要が大きくなるにつれ、かゆいところに手が届く、かかりつけ医のようなテーラーの数も、これからますます増えていくはずです。オーダーメイドによって、スーツのある毎日をより豊かなものにしてみてはいかがでしょうか。

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