ミリタリーというだけで「ワイルド」や「マニッシュ」と肯定的に捉えられ、おしゃれに見えた昨年までとは違って、今年はアイテムの使い方やコーディネートをを間違えると、「下品」とか「泥臭い」とかマイナスイメージにとられることも。
今年のミリタリーは、本来の文脈からさらに離れ、理性的な方向へとどんどん向かっています。つまり、ストリートっぽいスタイルやアメカジ風のコーディネートとは決別し、よりトラッドで清潔感のある「上品」なスタイルを意識するのが正解。たとえば、トラッドなスタイルにミリタリージャケットをONしたり、ミリタリーを連想させない都会的なカラーをチョイスするといった感じです。
そんなに面倒が多いなら、いっそのことミリタリーなんてやめとこう、と思われるかもしれませんが、それではもったいない!この秋発表になったばかりのパリやミラノをはじめとする2016/2017年秋冬コレクションでもミリタリールックは健在。トレンドを手軽に、しかもカッコよくまとうには、ミリタリーアイテムほど便利なものはありません。そこで、失敗しない“旬”なミリタリーファッションを作るためのルールについてまとめました。
┃ルール1:ミリタリーアイテムはワンアイテムまで!
まず注意したいのが、コーディネート全体に占めるミリタリーアイテムの数です。今年はワンアイテムのみに絞るのが原則。
ミリタリーブームと言われるだけあって、国内外を問わず、今年も各ブランドが気の利いたミリタリーアイテムを数多くラインナップしています。するとあれもこれも…と手を出したくなりますが、たとえばミリタリーシャツに「MA-1」を合わせるようなスタイルはちょっとミリタリー要素が過多なイメージです。
むしろ全身トラッドな雰囲気に仕上げておいて、最後に「M-65」を羽織るような、「上品」なスタイルこそが今年風。特にコーディネートの印象を決めるジャケットやコートなどアウターで取り入れる場合、このミリタリー・ワンアイテムルールは必須条件です!
┃ルール2:細身シルエットが洗練度を上げる鍵
次に大切なのがシルエット。最近のランウェイを見ていていても、以前に比べてずいぶんとシルエットは
ゆったりしてきた印象がありますが、今年のミリタリーに関しては、細身であることが重要。たとえば大きめボマージャケットや「N-3B」などボリュームのあるアウターを、太めのデニムやチノパンと合わせるアメカジっぽいスタイルは避けるのがベター。
全体のシルエットが細身であればあるほど、都会的なミリタリーファッションが叶います。言い換えれば、カジュアルな雰囲気からできるだけ離れるということ。たとえば、普段ゆったりしたパンツしか履かないという方なら、カジュアルな質感のものではなく、センタープレスの入ったドレッシーな印象のものを合わせると良いでしょう。
┃ルール3:直球のカーキ色はやや古いイメージ!ベージュもしくはダークカラーが断然フレッシュ
ミリタリーカラーといえばほとんどの方がカーキを連想するのではないでしょうか。無骨な印象、マニッシュな風合いを出せるトレンドカラーとしてここ数年、ファッション界を席巻してきたカラーですが、ここへきていよいよ見飽きてきた感が。意識している/していないにかかわらず、カーキがずいぶん前から流行していることはみんな感じとっていて、とくにミリタリーアイテムに直球で取り入れると古びて見える恐れがあります。
特に注意したいのがアウター。フライトジャケット系はもちろん、「M-43」「M-65」といった野戦用ジャケットをモチーフにしたアイテムでさえも、「去年買ったものを着ている」感がにじみ出てしまうことも。新鮮な雰囲気に見せるなら、ネイビーやブラックといったダークカラー、もしくはホワイト・ベージュ系のカラーをチョイスするのがおすすめです。