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【トレーニング×プロテイン】効果を高める選び方&活用術
多くのアスリートやトレーニーが愛用するプロテイン。からだの主要な構成要素であるタンパク質を効果的に摂取しようというがプロテインの狙いです。今回は、プロテインの優れた魅力、そして活用方法について詳しくご紹介します。
トレーニーがプロテインを選ぶワケ
┃食べものからイイトコ取りしたプロテイン
タンパク質を食事で摂取しようと思えば、基本は食事からとなります。肉類、魚類、卵、乳製品などはタンパク質を豊富に含む食品として知られています。しかし、トレーニングする人にとって食べものから十分なタンパク質を摂取することは容易ではありません。また、不必要な脂肪などはできるだけ避けながら筋肉を成長させることはトレーニーやダイエッターにとっても理想とするところです。日々のタンパク質を十分に摂取し、なおかつ不要な糖分や脂質を普段の食事から取り組むこともできますが、かなりの知識と時間を必要とします。まずはタンパク質、脂質や糖質などの必要量を考え、そこから食品を選んで食事の献立を考えることになるからです。食品選びだけでOKといかないのは、使う調味料(塩、砂糖、バター、油etc)や調理法(ゆでる、焼く、煮る、揚げるetc)よって摂取する栄養分に差が出ます。トレーニングや栄養の専門家やそれを職業としている人ならば十分な時間と労力をかけることも可能ですが、一般の人には時間的にも難しいところ。
そこで食事から摂取するより効率的にタンパク質を摂取し、効果的にからだづくりに取り組みたい。ここで注目されるのがタンパク質の摂取効率に着目した「プロテイン」です。乳製品や大豆などの食品からタンパク質を抽出し、商品によってアミノ酸やビタミン・ミネラル類などの疲労回復をサポートする成分が含まれています。カロリーも控えめ、脂質や糖分といった栄養素は食事から摂取することを念頭にしているため、大幅にカットされています。そんなプロテインは、タンパク質を摂取したい人にとっては、まさにイイトコ取りした栄養補助食品ということになります。プロテインは加工食品の一部で、食事だけでは摂取が難しい栄養素を手軽に摂取できる栄養補助食品です。ドーピングなどで問題になるような薬剤などは含んでいないので、プロのアスリートも一般の人にもたくさんの人に愛用されています。事実、日本で販売されているプロテインの多くは、日本アンチドーピング機構(JADA)の公式認定商品として採用されているものも多数あります。
┃食事よりもタンパク質の摂取効率が◎
「プロテインなんて使わなくても食事だけでいいのでは」と考える人もいるでしょう。事実、プロテインを使用しないトレーニーやアスリートも当然います。食事をしっかりと管理することで十分可能です。プロテインは食品という位置付けになるので、薬品とは違います。筋肉を発達させる化学物質などが含まれているものではないので、トレーニングに必要な栄養を食事管理でカバーできるのであれば無理に利用する必要はありません。それでも長年にわたって愛用者が多いのには理由があります。それはタンパク質の摂取効率が食事以上に優れているという点です。これについては、実際にプロテインと食品とを比べてみるとわかりやすいです。
■食品に含まれるタンパク質(100gあたり)
*牛もも肉:21.2g
*牛乳:3.3g
*豆腐(木綿):6.6g
※各データは文部科学省・食品成分データベースより算出(http://fooddb.mext.go.jp)
これに対して、一般的なプロテインに含まれるタンパク質は、1食あたり約13〜15gです(商品によって変動あり)。これだけみると食品もプロテインに負けず劣らずタンパク質を豊富に含んでいます。しかし注意したいのはここからです。一般の人であれば必要なタンパク質の摂取目安は体重1kgあたり1g程度。体重60kgの人であれば60gが1日に必要なタンパク質量となります。それに対して週に数回のトレーニングを行う人であれば、必要なタンパク質の摂取目安は体重1kgあたり1g〜2g程度必要となります。2gとなると体重60kgの人ですと120gのタンパク質が目安となります。牛もも肉ならば約600gで一般的なランチプレートの4皿分に相当します。牛乳であれば500mlパックを約7本、豆腐ならば1パック400g(1丁)を4〜5パック食べるという計算です。ここには脂質も当然含まれていきます。
■食品(100g)に含まれるカロリー(kcal)・脂質(g)
*牛もも肉:カロリー→182kcal・脂質→9.6g
*牛乳:カロリー→67kcal・脂質→3.9g
*豆腐(木綿):カロリー→72kcal・脂質→4.2g
これに対して一般的なプロテイン1食あたりのカロリーは約70〜120kcal、脂質は0.6〜1g程度となります。必要な120gのタンパク質量となるとカロリーや脂質面で大きな差が出ます。食品だけでタンパク質の摂取量をみてしまうと、カロリーオーバーや脂質の取りすぎになってしまうこともあるので注意が必要です。こういったことを考えてみると、プロテインはタンパク質の摂取効率に優れたものということになります。
プロテイン活用の基礎知識
┃プロテインは3つのグループに大別される
実際にプロテインを使ってみようとお店にいくと、メーカーや各商品のシリーズだけでもたくさんのものがあります。スポーツのため、からだづくりのため、プロテインを使う理由はさまざまです。まずは自分の目的に合った商品を選ぶことが大切になります。プロテインを選ぶうえで、どんな種類があるのかを事前の知識として持っておくと商品選びの参考になります。プロテインの種類は多いですが、大きく3つのグループにわけられます。
▼ホエイタイプ|プロテインの主流
筋肉を成長させたいアスリート、トレーニーにとってもっとも主流となっているのがホエイタイプのプロテインです。ホエイとは乳清(にゅうせい)といって、牛乳に含まれる液体のことです。牛乳から固形の部分と脂質などを取り除いたものをいいます。タンパク質の吸収性に優れていて、トレーニングによって疲労した筋肉への速やかなタンパク質の供給が可能という特徴があります。パワーアップや筋肉の肥大などを目的とするならば、ホエイタイプが推奨されています。
▼ソイ(大豆)タイプ|ダイエッターにも人気
大豆を中心としたタンパク質によってつくられているのがソイタイプのプロテインです。大豆タンパクには中性脂肪と結びつきやすい性質があります。中性脂肪は血液中にある脂肪成分のことで増えすぎると肥満や病気の原因になるといわれています。この中性脂肪は大豆タンパクと結合することで、体内への脂肪吸収がおさえられます。吸収されない中性脂肪は体外へ排泄されます。そのため、大豆タンパクでつくられたソイプロテインは、筋肉を維持しながらウエイトコントロールを目指すアスリートやダイエッターに愛用者が多いという特徴があります。
▼カゼインタイプ
カゼインは牛乳の約80%を占める主要なタンパク質成分です。一般に摂取されるタンパク質の中心はこのカゼインとなります。ホエイプロテインに比べると吸収がゆるやかであり、長い時間を必要とするとされています。トレーニングよりも日々の健康のためにタンパク質摂取したいという人に愛用者が多い傾向にあります。
┃プロテインの飲み方と摂取タイミング
▼カロリーダウンしたいなら水と一緒に
一般的なプロテインはパウダーなので水や牛乳に溶かして飲みます。牛乳が好きだという人ならば、水よりも牛乳で溶かした方が断然飲みやすさはあがります。しかしウエイトのコントロールを目標としているのであれば、牛乳よりも水で飲む方がカロリーは大幅にカットすることができます。1食あたりのプロテインは約200mlの水分と混ぜて飲むことが多く、牛乳にすると130kcal前後のカロリーが加わります。カロリーダウンでいけば水の方が良いのですが、ちょっと飲みにくいという人も。そんなときは無脂肪乳などを利用するのもひとつの方法です。通常の牛乳よりも半分近くカロリーをカットできます。
▼ホエイプロテイン+豆乳orソイプロテイン+牛乳もあり
牛乳から得られた動物性タンパク質のホエイプロテイン、それを植物性タンパク質である豆乳とまぜるのもありです。タンパク質はアミノ酸が集まってできた集合体です。そして人間の身体ではつくることができず、食品から摂らなければならないアミノ酸がいくつもあります。このアミノ酸がバランスよく含まれ、栄養価が優れている食品を「アミノ酸スコアが高い食品」といっています。タンパク質を効率良く構成するためには、アミノ酸スコアが高い食品、あるいは食品の組み合わせが必要となります。アミノ酸スコアは満点が100点です。ちなみに牛乳は100点で、豆乳は86点です。そのためホエイタイプなら豆乳とソイタイプなら牛乳と組み合わせることでアミノ酸スコアを高め、タンパク質の合成を効率良くすることができると考えられています。
▼トレーニングしない日のプロテイン摂取
筋トレなどのトレーニングによって筋肉の繊維が疲労し、それが回復するまでに必要な時間はおよそ24〜72時間とされます。この回復過程のなかでタンパク質が必要となるため、週に2〜3回程度のトレーニングが習慣になっている人であれば毎日飲むというケースが一般的です。摂取するタイミングとしては「朝食時」・「運動後」・「就寝前」の3つがあります。
■朝食時
例えばトーストとサラダだけといった場合はタンパク質が不足するので、ここをプロテインで補うというものです。
■運動後
トレーニング後に速やかにタンパク質を摂取することでトレーニングの効果、疲労の回復を揚げることができるといわれています。研究によっては20%以上向上するという報告もあります。理想的なタイミングとしては運動後30〜60分以内の摂取が良いとされます。
■就寝前
筋肉の成長に関わるホルモンとして成長ホルモンがあります。筋肉の発達・成長に欠かすことができないものです。この成長ホルモンは睡眠中に分泌されるといわれていて、プロのアスリートのなかには就寝前にプロテインを飲む人たちもいます。その場合は寝る1時間くらい前が良いといわれています。朝食時とトレーニング直後の飲用が一般的な飲み方となります。
タンパク質は1回で多くの量を摂取しても吸収できる量は限られているといわれています。理想はこまめに1〜3回にわけることが推奨されています。
自分にぴったりのプロテインを選ぶ
┃国内で入手可能な有名ブランド
▼SAVAS(ザバス)
日本で販売されているプロテインのなかで上位を占めるのが株式会社明治の商品です。一般の人はもちろん、国内のトップアスリートにも愛用者が多く、身近なスポーツ店やドラッグストアなどでも取り扱われています。目指す肉体別につくられたプロテインの種類も豊富です。
▼weider(ウイダー)
ウイダーは、ボディビルの神様と称されるジョー・ウイダー氏の創設に由来するアメリカのブランドです。トレーニング先進国であるだけに、豊富な経験と知識が生かされているのが大きな特徴です。世界的にも愛用者が多く、数多くのアスリートや一流トレーナーが使用しています。
▼DNS(Dome Nutrition System)
日本の企業である株式会社ドームより販売されているのがDNS(Dome Nutrition System)と名付けられたプロテインです。アメリカンフットボールの国内アスリートだった安田秀一が創設者です。アスリートがアスリートのために開発したプロテインは、品質はさることながら、味と価格へのこだわりから定評があります。長期的に使うことになるプロテインは品質も重要ですが、経済的な商品であることも重要なポイントになります。比較的リーズナブルであることから学生のアスリートにも愛用者が多いのが魅力といえます。
▼Kentai(ケンタイ)
株式会社健康体力研究所。創業1977年、国内スポーツサプリでは老舗といわれる企業です。プロテインをはじめとする日本のスポーツサプリではパイオニア的な存在です。品質面にも高い評価を得ているだけでなく、健康・スポーツ分野では各種論文研究などの最先端情報を国内アスリートに向けて配信するなど、科学性という視点を重視していることから高い信頼を得ています。
┃筋肥大・パワーアップを目指すなら
筋肉をたくましく成長させたいというならば、ホエイタイプのプロテインが推奨されます。各社こだわりのホエイタイプのプロテインは、どれも精製法にこだわりタンパク質含有量を最高レベルまで高める工夫がされています。
▼SAVAS|プロ・クリアプロテインホエイ100
純度の高いホエイタイプのプロテインです。プロテインの摂取にこだわり、その他の成分はほとんど加えられていません。タンパク含有97%と高く、1食あたりのタンパク質摂取量は19.4gです。カロリーは78kcalと控えめ。国内トップクラスのメーカーが送る最高レベルのプロテインといえます。
▼weider|マッスルフィット・プロテイン
ウイダーのマッスルフィットプロテインは、ホエイだけでなくカゼインも含まれているのが特徴です。すでにご紹介しましたが、ホエイとカゼインは吸収される速度が違います。まずホエイによって素早いタンパク質チャージを目指し、それにつづいてカゼインがゆっくりと筋肉へ吸収されるという理論に基づいてつくられています。就寝中などの長い時間を栄養補給・筋肉の成長に利用したいと期待する人に愛用者が多い傾向です。ただゲル状化し、ドロッとした飲み心地になるため好き嫌いがわかれる商品です。
▼DNS|ホエイプロテイン・ストイック
タンパク質以外は一切とりたくない!そんなストイックな人に好まれるのが、DNSのホエイプロテイン・ストイック。タンパク質含有率は97. 6%と世界最高レベルです。1食あたりのタンパク質摂取量は23.3g、カロリーは96kcal 。「1gでも脂肪は付けたくない」というキャッチにも溢れるこだわりがあるプロテインです。
▼Kentai|ホエイプロテイン・プラチナ
老舗ケンタイが送る高タンパク含有率を誇る本格派プロテイン。タンパク質含有率は95%とやはり高い水準となっています。特徴は運動で失われやすいビタミン、ミネラル(カルシウム・鉄)も一緒に補給できるということ。近年筋肉との関わりが中有目されているアミノ酸である「ロイシン」。このロイシンに着目しているのも本商品のこだわりといえます。
┃健康・ダイエットが目的なら
健康志向派の人、ダイエットが目的の人が選ぶプロテインは大豆系の植物性タンパク質を中心としたプロテインが中心です。
▼SAVAS|ウェイトダウン
ウエイトコントロールを必要とするアスリートに古くから愛用されているプロテインです。大豆性タンパク質を中心に、ダイエット中の運動で消耗・不足しやすいビタミンを11種類、さらに3種類のミネラルを配合しています。1食あたりのタンパク質摂取量は16.8g、カロリーは79kcalとなっています 。
▼SAVAS|シェイプ&ビューティ
女性にも愛用している人が多い商品です。引き締まったカラダづくりを目的に開発された商品。大豆プロテインを主原料にコラーゲンも配合されています。1食あたりのタンパク質摂取量は7.2g、カロリーは51kcalと大幅ダウンです。
▼weider|おいしい大豆プロテイン
植物由来の大豆たんぱく質を100%のプロテイン。こちらもダイエットをサポートするようビタミン・ミネラル類が同時に摂取できるよう工夫されています。豆乳をはじめ、大豆系の飲料には独特の風味があり、それを苦手とする人もいます。しかしウイダーのおいしい大豆プロテインはコーヒー味と飲みやすく、豆乳などが苦手という人であっても意外と美味しく飲めてしまいます。1食あたりのタンパク質摂取量は10.0g、カロリーは72kcalです。
まとめ
プロテインは自分に合うものを使い続けることがポイント
プロテインの活用法についてご紹介しました。プロテインは自分の目的に合ったものを選んでつづけることがポイントです。プロテイン選びのポイントをまとめると
*筋肉の発達が目的→ホエイタイプ
*シェイプアップが目的→ソイタイプ
というのがひとつの目安となります。
またタイミングとしては
*朝食で不足するタンパク質を補給
*運動後のタンパク質補給
*就寝前に飲用、寝ている間に疲労回復
という使い方があります。また普段の間食をプロテインで置き換えるというのもひとつの方法です。スイーツ類などは脂肪分や糖分が極端に高いこともあり、それをプロテインに置き換えることは、トレーニングの補助だけでなくダイエットの効果としても期待できるものとなります。