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【モテる男性講座その4】モテる男性の声とは?


モテる男性になるための講義録第4講。今回のテーマは『声』です。女性に魅力を与える男性の要素として男性声に注目してみました。コミュニケーションをとるうえで、表情や話の内容が大切であることは然りです。しかし、第一印象として女性に注目してもらえるような声があるのか。ここを掘り下げてみていきます。ラジオのDJさんのなかにも、顔がイケているかどうかはさておき、声が並外れてカッコいいと感じることがあるのではないでしょうか。「あの人の声を聞くと落ち着く」、「この人の声じゃないと聞く気になれない」などなど・・・。普段は意識することがなくても、声が人に与える印象は、思っている以上に大きいもの。調べていくと『声ー異性を惹く力』の間には驚くほどの関わりがあることがみえてきます。モテる男性の声についてさっそくみていきましょう!

ズバリ声が低い男性がモテる!?


声が他人に与える影響にまつわる研究は、単に世俗的な噂話(いわゆる都市伝説的なもの)におさまりません。学術的にもさまざまな研究があり、とくに海外においては生物学関連の研究機関や大学などで取り組まれています。意外に思われる人もいるかもしれませが、学術界ではホットなトピックのひとつともいえます。関連した論文や報告などをみていくと、導き出されるのが『低い声』が異性を魅力する可能性が高いということです。男性の声の魅力は低音で渋みのある声だということ。ではなぜ低い声・渋みのある声の男性は女性にとって魅力的にうつるのか。さらに詳しくみていきます。

 

低い声=進化の勝ち組の証!?

 

生物学の分野で使われる言葉に、「性的二型(せいてきにがた)」という言葉があります。これは、同じ種類の動物なのにオスとメスの間で「体型」、「からだの色」などに違いがあることをいいます。たとえば、キジやクジャクなどの鳥をみるとオスの方がカラフルで色鮮やかで、メスは比較的地味な色をしています。こういう性別によって違いがあることを性的二型といいます。この性的二型は繁殖と深い関係があると考えられています。霊長類(サルや人間など)でいうと、テナガザルはメス・オスによる違いがほとんどない部類です。そして、テナガザルの群れをみると一夫一婦的に暮らしていることがわかっています。

その一方でゴリラは、一般にメス・オスの体格差が2倍以上あります。そしてゴリラは、一夫多妻的な生活をしています。一夫多妻の繁殖システムでは、繁殖に関わることができるオスの数は限られてしまいます。つまりオス間の異性を勝ち取るための競合が激しくなるとういことです。この環境では「より大きなオスが競争を勝ち抜くのに有利」なため、「オスは体格が大きくなるように」進化してきたと考えられています。

人間はどうでしょうか。現代の人間の場合、一般に男性の方が平均的に伸長高く、体重も重いです。人間の祖先を振り返っていくと、猿人では男性の身長が約1.5〜1.7m(論文によりまちまち)、女性の身長は〜1メートル強だったといいます。次に原人です。こちらも論文による差がありますが、男性の身長が約1.6m〜1.8m、女性の身長が〜1.5mだったといわれ、男女の差が小さくなっています。現代人になると、平均して男女の身長や体重の差は10%くらい。

人類とゴリラに共通した祖先が別の進化をたどるようになったのは、およそ1000万年前といわれます。そしてここから、人類とチンパンジーとして別の進化の道を歩みだしたのが700万年ほど前といいます。ちなみにチンパジーは一夫多妻のシステムだというのが通説です。これら進化の特徴から、人間はもともと一夫多妻だったけれど、今は一夫一婦よりになっていると考えられています。進化の段階で大きな変化はあったものの、男性はもともと多くの女性と関係をもつ社会に生きていたということのようです。

ここで話は声に戻りますが、男性の声は性的二型のひとつの特徴だといわれています。一般に男性の声が低いのは、男性の方が声帯が大きいためです。声の通り道である声道も男性が長く、声帯の長さも男性の方が大きいことがわかっています(平均すると男性の声帯の長さは17~21mmくらい、声の高い女性の声帯の長さは12~17mmくらいの長さとされます)。さまざまな文献でも声が低い男性の方が魅力的だとする女性が多いという報告があります。

もともと競争相手のオスが多かった人間の祖先。その進化の過程のなかで、性的二型が一層進んで声が低くなったといわれています。低い声さは、いってみれば「進化の過程における勝ち組の証」ということです。女性はそこに本能としての直感的魅力を抱くのでしょう。

 


※人間関係学研究, 椙山女学園大学人間関係学部: p43-46(http://web.sugiyama-u.ac.jp/~ihobe/abstract/kazoku.html
※京都大学大学院理学研究科・日本人人類学会進化人類分科会ニュースレター
http://anthro.zool.kyoto-u.ac.jp/evo_anth/evo_anth/symp1006/Newsletter24%2025.pdf
※THE ROYAL SOCIETY・BIOLOGICAL SCIENCE・Masculine voices signal men’s threat potential in forager and industrial societies(http://rspb.royalsocietypublishing.org/content/early/2011/07/28/rspb.2011.0829

 

 

低い声=強さ・男らしさをアピールする

 

ここでも、さきほどの性的二型の話がつづきます。低い声はつよい男性を象徴するものだといわれています。一般に霊長類でも、メスよりもオスの方で声帯が大きく低い声が出ます。これは、自分をアピールしてメスに寄ってくるほかのオスを威嚇する効果があるといわれています。この声による威嚇の効果は、女性を引き寄せる以上の役割を果たしてきたと考えられています。男性の声は、女性だけでなく男性に対する影響も大きいということです。

ここにも低い声が進化の過程で必要であった要素ということが隠されています。競争や戦闘などの場面において、低い声というのは、相手に対して「自分はつよい」という「権力」をアピールすることができるといいます。男性から発生される低音の声は、女性に対してよりも男性に対して3倍つよいインパクトを与えるとする報告もあります。この低音の声から発せられるインパクトに「男性としての魅力」を女性はしっかり感じているということです。

 


|The researchers found that while the depth of the female voices did not affect how attractive they were deemed by male listeners, the situation was very different for the male voices. Deeper male voices were rated as more dominant by men and more attractive by women. |https://www.theguardian.com/science/2016/apr/27/deep-male-voices-evolved-to-intimidate-men-not-attract-women
|But when the scientists probed deeper into the results, they found the link to dominance to be up to three times stronger than the link to attractiveness. That, they say, suggests that the evolution of male pitch might have been influenced more by competition between males than by female choice when picking a mate.|https://www.theguardian.com/science/2016/apr/27/deep-male-voices-evolved-to-intimidate-men-not-attract-women
※THE ROYAL SOCIETY・BIOLOGICAL SCIENCE・Sexual selection on male vocal fundamental frequency in humans and other anthropoids(http://rspb.royalsocietypublishing.org/content/283/1829/20152830
※The Guardian(https://www.theguardian.com/science/2016/apr/27/deep-male-voices-evolved-to-intimidate-men-not-attract-women

 

 

低い声=繁殖力にプラスの効果あり

 

声が低い男性は、免疫力もつよく、健康的な男性の証だと報告する研究もあります。ここでキーワードになるのが、男性ホルモンといわれるテステステロンです。テストステロンは、男性にとくに多くみられるホルモンで、筋肉の発達や生殖器の発達にもかかわるホルモンです。低い声の男性は、比較的テストステロンが多く、逆にコルチゾールというホルモンが少ないといされます。コルチゾールはストレスが加わったりすると増えることから、ストレスホルモンともいわれます。この高テストステロン&低コルチゾールの状態が免疫のはたらきに良い効果があり、さらに健康な子供をつくるのに好都合だと考えられています。

 


※THE ROYAL SOCIETY・BIOLOGICAL SCIENCE・Sexual selection on male vocal fundamental frequency in humans and other anthropoids(http://rspb.royalsocietypublishing.org/content/283/1829/20152830
※The Guardian(https://www.theguardian.com/science/2016/apr/27/deep-male-voices-evolved-to-intimidate-men-not-attract-women

 

 

大きい声=繁殖力が弱い

 

声が低いということは、繁殖力にとって優れた効果が期待されるなか、声の大きさについても興味深い報告があります。それは、「声が大きいと精子の数が少ない」というものです。これは、生物学術誌「Current Biology」に掲載されたものです。ホエザルというサルの特性を調べていくと、大きな声を出すオスでは声の大きさをつくるために必要な舌骨(ぜっこつ)の大きさが大きいことがわかったのです。大きいものと小さいものの間で約14倍も違うといいます(舌骨が大きいものは大きな声を出せるということです)。

しかし、大きな声をだすタイプは睾丸が小さいという特徴があることが報告されています。つまり、複数のオスと群れをつくって、よそのグループのオスと競うオスの声はより大きく、睾丸はより小さい傾向があるということです。逆に声で競わなくていいオスは、声が小さく、睾丸は大きかったという報告です。睾丸が小さいというのは精子が少ないことを意味します。これは、声の大きさも女性に対する魅力が変化する可能性を示す調査報告として、注目に値するものです。

 


※Current Biology・Evolutionary Trade-Off between Vocal Tract and Testes Dimensions in Howler Monkeys(http://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(15)01109-4

 

 

 

声は遺伝。じゃぁモテるためにどうするか


話す速度に注目してみる

 

声の音質は、意識的に高音や低音にすることができますが、もともとの遺伝的な要素もあるため、無理に声質を変えるというのは現実的ではないかもしれません。またボイストレーニングという方法もありはしますが、「女性にモテるためにボイストレーニングしましょう。」ということをここで提言したところで、それをさっそく実践しようとなると、おそらく賛同する人が多いのか疑問があります。そこで、すぐに実践できるものとして、『自然な速度』で話すことに気をつけてみるということがあります。

 

会話は早口で話すか、ゆっくりと話すかで相手に与える印象が違うという学術研究がたくさんあります。とくに早口の場合はあまり初対面の女性に対して良い印象は与えないことが多いようです。かといって極端にゆっくりとしたペースで話すことは、相手に対してちょっと失礼な印象を与えることも知られています。たとえば、年配の方にゆっくり話すのは、医療や介護の分野でも「子供扱いしている」などと指摘されることが多いものです。

会話スピードが早めだと説得力、洞察力、独創的な印象を与えるため、ビジネスの場面などではゆっくりしたペースよりも、気持ち会話の速度が早い方が優れているといわれます。しかし、こと「優しさ」、「穏やかさ」、「安心感」となると少しゆっくりとしたペースの方で評価が高いことが知られています。ちなみにそのペースがどのくらいかというと、1秒間に約8文字〜10文字程度が目安になるといえそうです。「優しさ」、「穏やかさ」、「安心感」は、極端に早くても、遅くても評価は落ちるとされます。

 

「モテ声を極めたい」

 

これで、8文字です。スマートフォンなどのボイス機能を利用して、自分の会話速度をみてみるのもいいですね。1秒だとわかりづらいので、30秒〜60秒くらいで測定してみましょう。30秒だと240文字くらいの短い文章になります。ちなみに緊張すると早口になってしまう人もいると思いますが、早口は相手の気持ちを焦らせたり、緊張させたり、興奮させる作用があるといわれます。初対面の女性との会話にはちょっと不向きだといえます。

ことわざにも「急いては事を仕損じる」とか、「慌てる乞食は貰いが少ない」など、急ぐことを戒める名言があります。詩人としも有名なゲーテは70歳で18歳の少女に本気で恋をして、結婚こそできなかったものの、その少女は生涯独身を貫いたという逸話があります。愛や恋に精通していたゲーテ。そのゲーテの言葉にも「焦ることは何の役にも立たない。後悔はなおさら役に立たない。焦りは過ちを増し、後悔は新しい後悔をつくる。」という名言があります。落ち着いて安心感を漂わせる速度で会話を進めることで、低音でない声質の人はデメリットをカバーし、もともと渋くて低い声質の人にとっては、鬼に金棒というわけです。

 


※音声の発話速度と休止時間が話者の性格印象と自然なわかりやすさに与える影響・教育心理学研究 53(1), p1〜13(http://ci.nii.ac.jp/els/110001889159.pdf?id=ART0002066668&type=pdf&lang=en&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1480416904&cp=
※駒澤大学文学部・発話速度が聞き手の気分に与える影響(http://www.myschedule.jp/jpa2015/img/figure/90769.pdf

 

 

 

女性も声を低くする


余談ですが、女性も男性に好意を抱いたとき、ちょっとハスキーな低音ボイスを出そうとする傾向がみらえるといわれています。「Journal of Nonverbal Behavior」という学術誌に掲載された内容ですが、男性も女性も好意を抱くと、自分を魅力的にみせようと声質を低くするのだとか。もしお話ししていた女性の声質がちょっとハスキーになったり、低音になってきたりしたら、それは「脈あり」のサインかもしれません。

 


|We also assessed all voice samples objectively using spectrogram analyses and several vocal patterns emerged for each trait; among them we found that when trying to sound sexy/attractive, both sexes slowed their speech and women lowered their pitch and had greater vocal hoarseness. |http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10919-013-0163-z
※Journal of Nonverbal Behavior Volume 38, Issue 1, p107〜127・The Perception and Parameters of Intentional Voice Manipulation(http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10919-013-0163-z

 

まとめ


モテ男の条件のひとつは低音ボイス

モテる男性の声は、「低音のボイスである」ということがみえてきました。
さらに自然に聞こえる少しゆったりしたペースで話す(8文字程度/秒)を気をつけると、女性からの印象はさらに高くなるということです。
女性は渋くて低い男の声が好みだということですね。
顔や体型についてモテ男の条件をみていくと、中性的な顔、肉体派よりほどよい逆三角形など、必ずしも「男らしさ」が女性にとって好印象というわけではありませんが、こと声質となると女性は男らしさを欲しがるようです。ですが、ここにも意外な関係があるようです。モテる男性講座シリーズで、モテ顔の条件として左右が対象であるシンメトリー性の重要性をご紹介しましたが、シンメトリーな男性ほど声が低いともいわれています。声が低いことと、モテ顔には繋がりがあったのです。

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