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【モテる男性講座その12】恋愛の理論①ギブアンドテイクの理論


【モテる男性講座その12】から、恋愛に関わる理論を3部シリーズにわたってご紹介します。まず、最初にご紹介するのが「ギブアンドテイクの理論」です。一般の経済市場でも成り立つといわれる「等価交換の原則」。何かを得ようとすれば同等の代価が必要だという原則です。これは恋愛という市場においても同じことがいえるといわれています。魅力的な男性は魅力的な女性と結ばれ、魅力的でない男性は魅力的でない女性と結ばれるということ。いわゆる「恋愛均衡説」です。今回は、「ギブアンドテイクの理論」、そして「恋愛均衡説」という恋愛学理論をご紹介します。

ギブアンドテイクの理論


等価交換「ギブアンドテイク」

 

ギブアンドテイクという言葉は、経済学、社会学、心理学、そして恋愛学などいろいろな分野で使われています。「等価交換(とうかこうかん)」という言葉で言い換えられます。読んで字のごとく、等しい価値を交換するということ。たとえば、「10000円の価値のあるスニーカーに対して、10000円を払う」といった市場原理は、ごく普通におこなわれています。

このようなギブアンドテイク(等価交換)という考え方が、恋愛関係のなかでもおこると考えるのが、いわゆる恋愛におけるギブアンドテイクの理論ということになります。

物々交換以外にも、人と関わればギブアンドテイクの理論を感じさせるシーンはたくさんあります。

 

「〇〇だけやったから、〇〇だけお金をもらう」

「●●くらいしか仕事してないから、給料は●●くらい」

「△△やったから、△△やって」

「わたしは■■までやったから、あなたは■■までやって」

 

こんな会話は、男女関係においても日常茶飯時のやりとりです。そもそも経済市場でこのギブアンドテイクの理論がはたらいていれば、それが恋愛市場でもおこっていると考えても違和感はありません。

 

 


※参考文献
*稲原泰平:国際法上の等価交換則の顕在化, 金沢星稜大学論集第43巻第2号, p1~11, 2009(http://www.seiryo-u.ac.jp/u/education/gakkai/e_ronsyu_pdf/No113/p001_012_inahara.pdf
*永田聖二:等価交換とワルラス, 長崎大学教育学部社会科学論叢64, p25~40, 2004(http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/dspace/bitstream/10069/6261/1/KJ00004125768.pdf

 

 

ギブアンドテイクの理論を恋愛市場に当てはめる

 

「恋愛」をひとつの市場と考えて、ギブアンドテイクの理論を当てはめてみます。人をひとつの商品と仮定してみます。すると「愛する・愛される」というのは、商品の売買と同じシステムだと考えることができます。恋愛や結婚は、お互いを所有することなので、商品の売買と捉えても自然です(倫理的な問題はありますが、あくまで仮定です)。

そうなると、男性であっても、女性であっても「なるべく自分を高く売りたい」ですし、「なるべく相手を安く買いたい」という欲求が出てきます。その売り買いを考えるときの基準になるのが、男性・女性のそれぞれがもっている資産価値が重要になってきます。資産価値とは、たとえば、顔や体形などの外見、優しさや気配りなどの人間性、収入、社会的地位といったものをいいます。

一般の経済市場ならば、経済的に裕福な人は、より高く質の良い商品を買うことができるのと同じように、恋愛市場でも、資源をたくさんもっている魅力的な人ほど、より質の高い異性を獲得することができるということになります。ギブアンドテイクの理論が、恋愛市場でも成り立つという前提に立てば、

 

■魅力的な男性→魅力的な女性と結ばれる

■魅力的でない男性→魅力的でない女性と結ばれる

 

ということになります。高品質・高機能の商品はそれなりに高く、購入するには相応のお金が必要になることと同じことです。

 

 

恋愛均衡説

 

魅力的な男性には魅力的な女性が、それなりの男性にはそれなりの女性が、というのが恋愛市場のルール。だとすれば、男女の関係は等価交換、つまりギブアンドテイクの理論が成り立つというわけです。男女の関係は等価交換だという考え方は、「恋愛均衡説」ともよばれます。

「出会い」というものは、流動性の高い市場です。出会は偶発的におこるものなので、そのまま放っておけば「お互いの魅力度に応じて、だいたい釣り合うようになる」という原則が成り立つというのが恋愛均衡説の考え方です。

 

恋愛学のなかで、男女間の売買(相思相愛)は

■長期保有を原則とする「結婚市場」

■中期保有を原則とする「恋愛市場」

■短期保有を原則とする「浮気市場」

の3つの市場があるといわれています。

 

この3つの市場では、相手と関係をつくろうとする「買い」、つくった関係を維持しようとする「保有」、そして関係を解消する「売り」といった活動がおこなわれています。

そしてそれぞれの市場では、男性も女性も異性から求められる資質が違ってきます。たとえば、恋愛対象になる人と結婚対象になる人に求められる条件が必ずしも一致しないということです。

一般に保有期間が短いほど外見を重視する傾向が高いといわれます。浮気や恋愛という分野では、自分を売り込むマーケティング戦略が高く求められるということです。ちなみに、マーケティング戦略というのは、書籍やインターネットにも情報があると思いますが、「おまけ戦略」や「ダブルバインド」などは、よく知られています。

おまけ戦略というのは、「友達から映画のチケット2枚もらったんですけど、一緒にいく相手がいなくて…。よかったら一緒にいきませんか?」といった「おまけ」をつけて声をかけるというものです。

それに対して、ダブルバインドというのは、「二重拘束」を意味します。「一緒にお食事でもどうですか?」というと、相手は「Yes」か「No」で答えられます。ここで、「週末に一緒にドライブにいこうよ。土曜と日曜だったら都合のいいのはどっち?」と聞くこと。二者択一で聞いて、「いかない」という選択肢を除外します。「Yes」か「No」で答えられないことを前提として、相手に選択肢を選ばせることになるので、普通にお願いをするより高い成功率を期待するものです。

 

 

恋愛均衡説は崩せる!?

 

自分の魅力に相応した異性に出会う原則があるなら、やはり自分を磨くしか方法がないという結論になります。しかし、やっぱり素敵な女性と結ばれたいというのは贅沢なことでしょうか。早稲田大学の森川教授の著書「なぜ日本にはいい男がいないのか21の理由(ディスカヴァー, 2007)」のなかで、恋愛均衡説ならぬ恋愛不均衡説を発見するヒントをみつけることができます。

森川教授は、著書のなかで自分の(1)魅力度をあげること、(2)閉じられた環境に身を置くことで、魅力的な異性を獲得できる可能性があるといいます。

これはどういうことでしょうか。

まず(1)の「魅力度をあげる」からみていきます。「人の魅力とは何か」、これを一言で表現するのは難しいです。外見、人間性、収入、社会的地位、声、学歴、趣味etc…数え出せばきりがないからです。ただこれらを総合して数値化するようなものもあります。インターネットでも「男女 魅力度 チェック」と検索すると計算ツールがたくさんあります。この魅力度をUPさせて高い魅力度をもつ女性に近づき、魅力的な女性と結ばれる。その努力が必要ということになります。これはこれで納得できます。

もうひとつ(2)「閉じられた環境に身を置く」はとても興味深いものがあります。これは、女性ばかりの多い環境にいると、自分より魅力的な女性と結ばれる確率が高くなるというもの。たとえば、女子校の男性教員、保育園・幼稚園など女性が多い職場ではたらく男性、看護学部・家政学部など女子中心の学部にいる男子学生は、恋愛均衡説が崩れるといいます。

逆に女性の場合も、理工学部にいる女子大生、男性中心の部活やサークルに所属する女子大生は、自分の魅力度以上の男性と付き合う可能性が高いということです。

 

 

魅力度は常に変動するもの


魅力度は恋愛or結婚の対象で変わる

 

先ほど「魅力度をあげる」ということをとりあげ、「人の魅力とは何か」を表現することは難しいということに触れました。そこには、外見、人間性、収入、社会的地位、声、学歴、趣味etc…魅力の要素といわれるものがたくさんあるからです。そして、もちろん個人的な意向というのも反映されます。さらに、魅力度は「変動する」という面をもちあわせています。

たとえば、魅力というと顔や体型など、外見的なものは外せないでしょう。ですが、いつも、どんな世代であっても顔がいい(イケメン)とか、スタイルがいいといったことが魅力度のうち群を抜いてトップだとは限らないのです。

インターネット調査会社の株式会社マクロミルが、首都圏に住む25~39才の未婚男女を対象に「結婚と恋愛に関する調査(2011年1月)」(http://www.macromill.com/r_data/20110204renai/20110204renai.pdf)を実施した結果を報告しています。このなかで、男性・女性のそれぞれが「異性に対して求めるもの」について、「恋愛対象とした場合」と「結婚相手とした場合」にわけて調査しています。

ここでは、女性の回答結果は以下のようになっています。

 

※資料:株式会社マクロミル「結婚と恋愛に関する調査(2011年1月)」より一部抜粋して作成

 

女性が求めるもの=魅力と感じるものは、結婚相手か恋愛相手と考えるかで変わってきます。魅力度を高めようとするならば、対象を考えて自分磨きをすることが得策です。女性は外見よりも、中身や人間性を重視する傾向にあることは一般にもよくいわれていますが、この調査でもそれがあらわれています。

また、頭の回転が早いという項目もあります。女性が男性に対して「頭の回転が早いなぁ」と感じるのは、たとえば、相手の意外な質問にも柔軟に答えることができたり、困ったときに、いろいろとアイディアを出せたり、あるいは女性の会話に対してユーモラスなツッコミができるといったことがあります。「笑いのツボが合う」というのが項目に入っていることからも、共通した話題で一緒に笑顔になったり笑ったりしたい思いが女性の気持ちとしてあるようです。

金銭感覚や経済力という面も年代を問わずに重視されています。次項では、結婚の場合、と恋人の場合に分けて年代別に「男性に求められるもの」をみていきますが、そこでも「経済力」という項目が必ず出てきます。具体的な金額は人それぞれですが、明治安田生活福祉研究所が実施したアンケート調査「0~40 代の恋愛と結婚-第9回結婚・出産に関する調査より-」によると、20代〜40代の女性が求める年収の目安は400万円くらいとなっています。

 

 


※参考文献
*株式会社明治安田生活福祉研究所「20~40 代の恋愛と結婚-第9回結婚・出産に関する調査より-(2016年6月20日)」(http://www.myilw.co.jp/research/report/pdf/myilw_report_2016_01.pdf
*株式会社マクロミル「結婚と恋愛に関する調査(2011年1月)」(http://www.macromill.com/r_data/20110204renai/20110204renai.pdf

 

 

魅力度は年齢で変わる

 

男性に対して、女性が魅力だと感じる部分は年齢によっても変わってきます。先ほどの株式会社マクロミルの調査結果にもそれがあらわれています(下表)。

 

 

※資料:株式会社マクロミル「結婚と恋愛に関する調査(2011年1月)」より一部抜粋して作成

 

さらに、ブライダル総研が実施したアンケート調査「婚活実態調査(2016年3月)」(http://www.recruit-mp.co.jp/news/pdf/20160623_01.pdf)によれば、婚活サービス(婚活に関わるアプラ、サイト、パーティー、イベントなど)を利用している頻度は、男性より女性の方が高いというのが目立ちます。この傾向はとくに20代〜30代で高くなっています。婚活サービスを利用している女性の割合を比較してみると、20代では17.9%なのに対して、30代では24.4%となっています。年齢を重ねるごとに積極的に婚活する傾向がみられるので、出会える頻度・結ばれる頻度は、年齢を重ねるごとに増えていくとみてよさそうです。
年下の男性が年上の女性を意識すると出会える頻度・結ばれる頻度が高くなるというデータ(http://www.nli-research.co.jp/files/topics/55095_ext_18_0.pdf)もあります。男性年下・女性年上というカップルが年々増えている傾向にあります。一般に女性は年上の男性を好む傾向がありますが、男性年下・女性年上というカップルが年々増えているという傾向をみれば、年上の女性を意識すれば出会いの頻度があがることが期待できます。
「1 歳上の妻は金(かね)のわらじを履いてでも探せ」という諺(ことわざ)もあります。男性は年下好きな人が割合として多いですが、年上との出会いにも目を向ければ、よい出会の幅が広がります。

 

 


※参考文献
*株式会社マクロミル「結婚と恋愛に関する調査(2011年1月)」
http://www.macromill.com/r_data/20110204renai/20110204renai.pdf
*ブライダル総研「婚活実態調査http:/(2016年3月)」(http://www.recruit-mp.co.jp/news/pdf/20160623_01.pdf
*ニッセイ基礎研究所「『年の差婚』の希望と現実」2017年2月20日(http://www.nli-research.co.jp/files/topics/55095_ext_18_0.pdf
*ブライダル総研「第1回恋愛観調査(2012年1月)」(http://www.recruit-mp.co.jp/news/pdf/20160623_01.pdf

 

 

まとめ


ギブアンドテイク、等価交換の原則についてご紹介しました。恋愛市場を経済市場と仮定して捉えていくと、「魅力的な男性は魅力的な女性と結ばれ、魅力的でない男性は魅力的でない女性と結ばれる」という一定の原則が成り立つというのは、否定しづらい部分もあります。
ですが、それはあくまで市場。常に変動があり、女性が男性の何を魅力と感じるかは、年齢や結婚を意識する時期によっても変わります。自分がもつ魅力をみつけ、それを付加価値することも可能なのです。

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