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【モテる男性講座その14】恋愛の理論③リーのラブスタイル理論


「人はそれぞれ恋愛のスタイル(体質)をもっていて、そのスタイルには6つのパターンがある。」という視点から、相手の恋愛スタイルを分析する「リーのラブスタイル理論」をご紹介します。知っている人は知っているけど、知らない人はまったく聞いたこともない理論かもしれません。しかし、学術的にも頻繁にとりあげられる恋愛理論のひとつです。この理論に立って相手の恋愛スタイルをみていけば、自分との相性を知る手がかりになります。熱狂的な女性、献身的な女性、自分はどのタイプと相性がよいのでしょうか。それを教えてくれるのが「リーのラブスタイル理論」です。

リーのラブスタイル理論


恋愛のスタイルを知るツール

 

今回ご紹介する「ラブスタイル理論」は相手(あるいは自分)がもっている愛の性質を知ろうというものです。たとえば、好意を感じている女性がいるとします。その人は、恋愛に対してどんな傾向をもっているのかわかりません。そんなとき、ラブスタイル理論を応用します。すると、その人は「遊び傾向がある」とか、「燃えるような恋をするタイプ」といった傾向がみえてきます。その傾向を6つのタイプにわけて、相手がもつ恋愛の体質を知るということができます。それが、「ラブスタイル理論」です。

これまで、恋愛と関わりのある有名な理論を3部にわたってご紹介してきました。シリーズの最後を飾る「ラブスタイル理論」は、かなり興味深い内容になっています。

この理論を提唱したのは、ジョン・アラン・リー(John Alan Lee)というカナダの社会学者です。恋愛にまつわる小説や文献、学術書など4000を超える膨大な情報を分析。その結果をまとめたのが「ラブスタイル理論」です。学術的にもかなり注目されていて、国内外でたくさんの関連した論文が出されています。

初回でご紹介した「ギブアンドテイクの理論」は、恋愛を経済市場と関連づけてみていくのを特徴としています。お互いがもつ「魅力」を「資産」と考えるのが興味深いところです。

次にご紹介した「愛の三角理論」は、愛という漠然としたものを具体的に、鮮明に知ろうとすることが目的でした。

ライブスタイル理論の目的は「相手の恋愛タイプを知ること」。自分の恋愛スタイルと相手の恋愛スタイルを知ることができれば、「相性の良し悪し」がわかってきます。2人の相性を判断する心理テストは世の中にたくさんあります。それなのに本理論をご紹介するのには「学術的データが豊富で、一定の科学性がある」」というご紹介するのにふさわしい理由があるからです。

 

 


※参考文献
*金政祐司:恋愛イメージ尺度の作成とその検証 親密な異性関係、成人の愛着スタイルとの関連か, 対人社会心理学研究2, p93~101, 2002(http://ir.library.osaka-u.ac.jp/dspace/bitstream/11094/9047/1/jjisp02_093.pdf)尺度
*神山進:性の商品化と商品価値 : ジェンダーを焦点にして, The Hikone ronso 317, p153~175, 1999(http://www.biwako.shiga-u.ac.jp/eml/Ronso/317/317koyama.PDF
*John Alan Lee:A Typology of Styles of Loving, Personality and Social Psychology Bulletin,3 p173~182, 1977
*John Alan Lee:A Typology of Styles. In R. J. Sternberg & M. L. Barnes (Eds), The Psychology of Love, New Haven, CT:Yale University Press p38~67, 1988

 

 

恋愛のスタイルを知るツール

ラブスタイルの提唱者・リー博士は、愛の要素となるものとして3つポイントがあるとしています。これを基本色ととらえて、3つを混ぜると「さらに3つの新しい色」が出てくると考えます。これで合計6つの色が出てきます。リー博士は、人がもっている恋愛タイプは6つにわけられると考えています。この6つのタイプをあらわしたのが、上の図です。

その後にも日本の研究者を含めてたくさんの専門家たちが「ライブスタイル理論」を応用した研究をつづけています。題材として取り扱われることが多いのは、ラブスタイル理論には「妥当性がある」という一定の評価を受けているからです。

ただ、一般に使うには複雑なものなので、今は改良したのが使われています。恋愛を6つ色ではなく「6つの恋愛に対する態度(スタイル)」としてみていく考え方が主流になっています。

 

恋愛の6つのスタイル

 

それでは、さっそく6つの恋愛スタイルの特徴をみていきましょう。

 

①エロス(美への愛)

このタイプは、「恋愛の本質はロマンス」と考えます。

■一目惚れしやすい

■ルックスを重視する

■内面の美しさにもこだわりがある

■関係をもった初期の時点から親密になりたがる

 

②ルダス(遊びの愛)

ルダスの本質は、「遊びの愛」です。恋愛をゲームのように考えるので、関係が短期間で終わってしまう傾向があるといわれるスタイルです。

■1人に縛られるたくない

■プライバシーの侵害を嫌がる

■複数の異性とも同時に恋愛ができる

■相手を次から次に取りかえていく

■自分のことをあまり話さない

 

③ストルゲ(友愛的な愛)

ゆっくりと時間をかけて2人の関係をつくろうとするタイプです。2人でひとつの理想の世界をつくることを望みます。

■恋愛関係が友情のように穏やか

■友情の延長線上に愛情があると考えている

■恋愛関係をもった人数が少ない

■ひとつの恋愛関係は長くつづく

■情熱的な愛情が低い

■独占欲が低い

■嫉妬がほとんどない

 

④プラグマ(実利的な愛)

「恋愛は自分の利益のための手段」と考えているタイプです。相手と付き合うときに自分にとってメリットがあるのかを考える傾向があります。「この人と結婚するとリッチな生活が送れる」、「この人と付き合うと出世できる」などです。

■付き合う相手を選ぶ基準をもっている

■ロマンスの重要度は低い

■相手の外見はあまり気にしない

■男性に対してはやや奥手

■学歴・職業・年齢・家柄などのステータスを気にする

 

⑤マニア(熱狂的な愛)

マニアは「情熱的・熱狂的」なタイプです。相手に対する「のめり込み」が少し脅迫的だったりします。相手の気持ちに不安をいだくと食欲が落ちたり、睡眠不足になることも。安定した関係をつくれない傾向があります。男にとってはマニアがつよい女性はちょっと息苦しさを感じる人もいます。

■相手に執着する

■嫉妬しやすい

■独占欲がつよく束縛する

■相手の短所は考えず、長所ばかりみてしまう

■愛されているかいつも確認したがる

 

⑥アガペ(献身的な愛)

自分の犠牲より、相手に尽くすことを優先するタイプです。見返りを求めない献身的な愛。これが、このタイプの特徴です。

■相手のためなら自分の命さえもいとわない

■相手が愛してくれなくても優しく接する

■見返りは求めない

■なぜかダメ男とばかり付き合っている

 

 

ラブスタイル理論を応用してみる


ラブスタイルの測定方法

 

相手のラブスタイルを知るための「質問ツール」があります。質問の数も多く、ちょっと大変です。今回は2つの海外論文を参考に、オリジナルに改定したものをつくりました。

それぞれの質問について「すごくそう思う:1点」「まあまあそう思う:2点」「どちらともいえない:3点」「あまり当てはまらない:4点」「まったく当てはまらない:5点」で点数をつけてください。点数が出たら、次項に進んでください。目安となる平均点などを次の項でご紹介しています。

 

エロス

■出会ってすぐ、お互いに惹かれあうこともある

■相手との愛を大切にするように気遣うべきだ

■好きな人と一緒にいるとすごく愛し合っていると実感できる

■運命の出会いを信じている

■好きな人と一緒なら甘く優しいムードになる

 

ルダス

■頼られすぎると少し距離を置きたくなる

■相手に期待をもたせることも必要だ

■必要だと感じたときだけ相手にそばにいてほしい

■干渉されるとその人と別れたくなる

■特定の交際相手を決めたくないと思う

 

ストルゲ

■友情がいつ愛情に変わったかわからないことがある

■友情は時間をかけて愛に変わっていくものだと思う

■別れても友達でいたいと思う

■愛は長い友情から育つものだと思う

■友人を経てから恋人になるのが自然だと思う

 

プラグマ

■付き合う相手と関わる前にどんな人かよく考える

■付き合う相手を選ぶとき自分の経歴にどう影響するか考える

■付き合う相手を選ぶときに経済力があるかどうかを考える

■付き合う相手を選ぶときに学歴や育ちが自分と釣り合ってるか考える

■相手が自分の格を下げないか考える

 

マニア

■気にかけてくれないと、ヘコんでしまう

■他に付き合ってる人はいないかと心配になってしまう

■気がつくといつも相手のこと考えている

■相手に対して自分だけのものであって欲しいと望む

■愛情が少しでも欠けていると感じると苦しむ

 

アガペ

■相手が苦しむぐらいなら自分が苦しんだ方がましだ

■相手が幸せでないと私は幸せになれない

■一緒ならどんな貧乏でも平気だ

■私は相手のためなら命も惜しまない

■どんなに辛くても相手に優しくしてあげたい

 

 

満足度を高めるラブスタイルの特徴

 

それぞれのスタイルの得点は何点になったでしょうか。点数化してみると、「自分はどのタイプに当てはまりそうか」or「相手はどのタイプに当てはまりそうか」がみえてきます。論文などの文献をみてみると、男性も女性も「エロス」と「アガペ」の値が高いほど、付き合っているときの満足感が高いといわれています。それに対して、「ルダス」の値が高いカップルは、あまり満足感のある関係をつくれていないパターンだと考えられています。男性と女性それぞれのスタイルの平均点を参考に記載しておきます。実際に出した点数と見比べてみてください。

 

  • 男性の平均点

エロス(2.54)|ルダス(2.93)|ストルゲ(2.95)|プラグマ(3.42)|マニア(2.74)|アガペ(2.67)

  • 女性の平均点

エロス(2.39)|ルダス(3.22)|ストルゲ(2.88)|プラグマ(3.41)|マニア(2.33)|アガペ(2.82)

 

日本人の場合は、女性はプラグマ(実利的な愛)の傾向が男性よりかなり高く、逆に男性の方が高い値を示すのは「アガペ(献身的な愛)」です。女性は実益重視タイプ、男性は尽くすタイプが多い。これが現実だと思うとちょっと複雑な感じもします。

ちなみに、インターネットで検索すると、簡単に診断してくれるものもあります。こちらのサイト(http://cest.web.fc2.com/psychology/lets2.html)は、その参考になりそうです。

 

 

正反対のラブスタイルは微妙な関係

 

恋愛タイプがわかったら「相性」も気になります。ラブスタイル理論では、すでにご紹介している「ラブスタイル」の図をみて判断します。自分のタイプと近いものが相性がよいと考えます。逆に、正反対に位置するタイプ同士は相性がわるいということです。

相性の良い組み合わせは、ルダス(遊びの愛)なら、マニア(熱狂的な愛)とプラグマ(実利的な愛)は相性がいいです。そして、ストルゲ(友愛的な愛)ならアガペー(献身的な愛)とプラグマ(実利的な愛)と相性がいいといった感じでみていきます。

逆に相性のわるいカップルは、エロス(外見を重視)とプラグマ(実利的な愛)、ストルゲ(友愛的な愛)とマニア(熱狂的な愛)、ルダス(遊びの愛)とアガペー(献身的な愛)は対面にあるので、相性がよくありません。好きな女性がいたらその人との相性は?付き合っている人がいれば、その女性との相性は?

ぜひ試してみてください。

 


※参考文献
*井上徹:自己愛傾向と恋愛の6類型,日心第75回大会, p172, 2011(http://www.psych.or.jp/meeting/proceedings/75/contens/poster/pdf/2PM031.pdf
*神山進:性の商品化と商品価値 : ジェンダーを焦点にして, The Hikone ronso 317, p153~175, 1999(http://www.biwako.shiga-u.ac.jp/eml/Ronso/317/317koyama.PDF

 

 

 

外見でラブスタイルを推測してみる


ラブスタイルの特徴で「服装」が変わる!?

 

恋愛のスタイルがあるのはわかっても、それが実践的かどうかは別問題。付き合っているならまだしも、「これから出会う女性に」対して、いちいち質問するなんてできません。そんな疑問に答えてくれそうな研究があります。それは「女子学生の恋愛意識と被服行動との関係-Leeの恋愛類型論に基づく検討-」というものです。ラブスタイルは、「服装にあらわれるのではないか」いう視点から研究されています。

こまかく調査されていますが、ここでは目立った結果があるものをピックアップしてみます。

まずマニアのタイプの人ほど「流行に敏感」な特徴があります。新しいファッションに注目していたり、流行の服を着ている人、ファッションについて話したり、関連の雑誌を読んだりするのが好きな人は、「マニア(熱狂的)」の可能性が高いという結果がでています。さらにエロス(美への愛)も流行に敏感な傾向があります。

恋愛に対して、熱が上がったり、ロマンチックだったりする人ほど、ファッションも熱く、個性的になりやすい傾向がみられています。

逆に「プラグマ(実利的な愛)」と「ルダス(遊びの愛)」のファッションは機能性重視。服装を選ぶときは、デザインより「動きやすさ」、「保温性」、「着心地」を大切にする傾向が高いようです。そして「クオリティ」も重視しています。「プラグマ(実利的な愛)」と「ルダス(遊びの愛)」のファッション傾向のポイントは「クオリティ」だといってよいでしょう。

「ルダス(遊びの愛)」はファッションに敏感そうですが、ちょっと意外な結果です。

もともと「プラグマ(実利的な愛)」と「ルダス(遊びの愛)」は恋愛に対して、冷静な視点をもち合わせています。その特徴が服装にも「機能性」という形であらわれているのでしょう。

服装から恋愛スタイルを予想するのが難しいタイプあります。それは「ストルゲ(友愛的な愛)」です。「ストルゲ(友愛的な愛)」に関しては、服装について特徴的な傾向がつかめていません。「アガペ(献身的な愛)」も服装に特徴があらわれにくい傾向がみられます。

 

ここで服装の傾向と恋愛スタイルを整理してみます。

  • 流行に敏感or個性的な服装をするタイプ・・・「マニア(熱狂的)」「エロス(美への愛)」
  • 機能性を重視する服装のタイプ・・・「プラグマ(実利的な愛)」「ルダス(遊びの愛)」「マニア(熱狂的)」
  • 服の素材や質を重視するタイプ・・・「プラグマ(実利的な愛)」「ルダス(遊びの愛)」

 

この傾向から判断すると、

流行に敏感かつ機能性重視だと「マニア(熱狂的)」の可能性は高いことがわかります。それに対して、流行・個性がとくに重視され、「機能性は二の次」ならば、「エロス(美への愛)」の可能性が高くなります。

また機能性と素材や質感を重視する人は「プラグマ(実利的な愛)」「ルダス(遊びの愛)」の可能性が高いといえます。

「ストルゲ(友愛的な愛)」と「アガペ(献身的な愛)」は残念ながら服装からの予想が難しいです。服装から恋愛タイプが予想できるのは、「マニア(熱狂的)」「エロス(美への愛)」「プラグマ(実利的な愛)」「ルダス(遊びの愛)」の4タイプです。

 

「着ている服から、その人の恋愛スタイルを予想する」。予想できる恋愛タイプには限界がありますが、これならすぐに活用できるのではないでしょうか。

 

 


※参考文献
*泉加代子:女子学生の恋愛意識と被服行動との関係-Leeの恋愛類型論に基づく検討-,京都府立大学学術報告(理学・生活科学)46号, p29~35, 1995(http://ci.nii.ac.jp/els/110000058188.pdf?id=ART0000399118&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1487888195&cp=

 

 

まとめ


恋愛の体質(スタイル)をみる「リーのラブスタイル理論」についてご紹介しました。付き合う前は魅力的だ!と思っていても、実際に付き合ってみると、意外にも苦労することが多いというときがあります。そんなとき、リーのラブスタイル理論を使ってみてください。
もしも好きな人がいたり、「いいな」と思う人がいるなら、自分とその人の恋愛体質をみると、積極的にいくべきか、または身を引くべきかを判断する材料にもなります。
もちろん、努力次第では恋愛体質を変えることだってできるかもしれません。

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