モテライフ

【モテる男性講座その9】テストステロン


今回のテーマは、男性に特徴的なホルモンとされる「テストステロン」です。「モテホルモン」ともいわれるテストステロンには、人によって値が高い人や低い人などさまざまだといわれています。そして、このテストステロン値の違いは、男性の身体面と精神面にそれぞれ深く影響を及ぼすことがわかっています。その特徴は、当然のことながら女性に対する魅力にも影響があります。今回は、このテストステロンにフォーカスし、その秘密に迫ります。

男性ホルモン「テストステロン」とは


テストステロンは男らしさを促す

 

からだのはたらきを調整するホルモン。そのなかには、男性や女性に特徴的なホルモンがあります。それが性ホルモンとよばれるものです。なかでも男性ホルモンとして知られているものが「テストステロン」です。主には精巣(睾がん)と腎臓のちかくにある副腎という臓器から分泌されるホルモンです。精子をつくったり、筋肉を発達させたり、あるいは声帯を男性化(声変わりを促す)など、いわゆる男らしさを促進するホルモンでもあることから、男性に特徴的なホルモンともいわれています(※女性でも少量の分泌がみられます)。

更年期障害というものをご存知の人も多いと思います。一般には生理が終わった年齢前後の女性にさまざまな症状がみられる状態とイメージされています。ここには、ホルモンのバランスが崩れることが原因のひとつだとされます。ただ、男性にも更年期障害があるといわれています。集中力が低下したり、気力がなくなったり、不眠、不快感、勢力の低下、イライラ感、インポテンツなどいろいろな症状がみられることが報告されていますが、ここにテストステロンが深く関係していると考えられています。テストステロンは、20代〜30代をピークにその後だんだん分泌が低下していくことが多く、テストステロンの分泌低下が、男性にさまざまな不調をもたらすことがわかってきていて、国内外でも積極的に研究されているホルモンでもあります。

比較的年齢が高いのに、すごくエネルギッシュな男性をみかけることがありますが、こういった人は、テストステロン値が高いといいます。少し脱線しますが、ドイツ出身の詩人であり、実業家でもあるサムエル・ウルマン(1840〜1924)の有名な詩に「青春とは(Youth)」というものがあります。

 

その一節に

「真の青春とは、若き肉体のなかにあるのではなく、若き精神のなかにこそある。

(中略)

臆病な20歳がいる

既にして老人

勇気ある60歳がいる

青春のまっただなか・・・」

という言葉があります。

 

まさにこの詩を体現したかのような、活力ある年配の男性が、自分のまわりにいたりします。そんな男性は、テストステロン値が高い男性のようです。自分らしさを主張したり、自分の目標を追いかけるエネルギーの源泉が、このテストステロンだということがわかってきています。

 


*石川隆:『カラー図解生理学の基本がわかる辞典』 西東社, 2011
*邵仁哲:『男性更年期障害―症候群の観点から―』京府医大誌119(6), p417~423, 2101(http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/jkpum/pdf/119/119-6/sou.pdf
*大学病院医療情報ネットワーク・内分泌系のしくみと働き(http://plaza.umin.ac.jp/~histsite/7endcrinetxt.pdf
*サムエル・ウルマン:『青春とは』(新井満訳)講談社, 2005

 

 

 

テストステロンと男性的魅力度の関係


テストステロンが多いとモテる!?

 

先ほども触れたとおり、テストステロンは、男らしさを促すホルモンとして知られますが、それは肉体的な男らしさだけではなく、精神的にも「男性」としての存在意義をあらわすホルモンになります。いわゆるリーダーシップ、やる気、あるいはモチベーションといったものがそうです。こういった肉体的・精神的な男らしさは、ときに女性にとって魅力となって感じとられることがあります。そのため、テストステロンは「モテホルモン」や「モテフェロモン分泌ホルモン」という俗称をもっているのです。テストステロンがモテホルモンといわれる由来には、そこにさまざまなメリットがあるからですが、突き詰めていけば、そこに共通した理由がみえてきます。

それは、生物の本能的な営みともいえる「子孫の繁栄」です。今でこそ、テストステロンは身体と心の両方に重要な役割があること、さらにさまざまな研究を通じて、異性に対する魅力度との関係なども示されるようになっています。しかし、テストステロンは、精子をつくったり、筋肉を発達させるという、いわゆる「男らしさ」に関わることが重要な役割だと考えられていました。

テストステロンの高い男性は、堂々たる風格をもつ人が多く、リーダーシップや集中力にも優れた人が多いといわれています。また、プロのアスリートの多くもテストステロンが高い傾向がみられるとされます。とても興味深い研究を紹介している本があります。それは、早稲田大学の森川友義教授の著書「なぜ日本にはいい男がいないのか21の理由」です。この著書のなかで、米国の心理学者であるJames McBride Dabbs博士のテストステロン値(職業別比較)のデータが紹介されています。その一部を紹介すると、

 

■広告マネージャは、コンピュータープログラマーよりもテストステロン値が46%高い

■建設業関係者は、弁護士よりもテストステロン値が24%高い

 

といったことが示されています。これらの職業について、精神的な強靭さは一概に比較できませんが、肉体的には「なるほど」と感じるものがあります。

また、性機能のトラブルをもつ男性(19歳〜68歳までの123人)を対象にテストステロン注射治療をおこなった研究報告(Wang, Christina, et al.: Long-term testosterone gel term testosterone gel

(AndroGel) treatment maintains beneficial effects on sexual function and mood, lean and fat mass, and sexual function and mood, lean and fat mass, and bone mineral density in hypogonadal men. Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 89.5, 2004)によると、テストステロン投与治療によって、「気分の向上」、「性欲の向上」、「勃起満足度の向上」、「体脂肪量の低下」、「除脂肪体重(脂肪を除いた筋肉量など)の増加」がみられたことを報告しています。これをみても、テストステロンが肉体的にも精神的にも、「つよく」そして「たくましい」男性像をつくりだすうえで欠かすことができないホルモンだといえます。

現代の私たちも原始的には、狩猟生活をしていた人間であることを考えたとき、女性目線からみれば、自分や子供を守ってくれる「強靭な男性」を選ぶのは当然のことといえます。

 

 


*堀江重郎:『男性の生き方にかかわる「男性ホルモン」』Mental Health Network Report, No.54, 株式会社フィスメック(https://www.fismec.co.jp/report/pdf/No.54_Dr.Hosoe.pdf
*Wang, Christina, et al.: Long-term testosterone gel term testosterone gel
(AndroGel) treatment maintains beneficial effects on sexual function and mood, lean and fat mass, and sexual function and mood, lean and fat mass, and bone mineral density in hypogonadal men. Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 89.5, 2004
*森川友義:『なぜ日本にはいい男がいないのか 21の理由』ディスカヴァー 2007

 

 

テストステロンを増やすには栄養&運動

 

テストステロンが、モテホルモンであるのならば、「体内のテストステロン量を増やしたい!」と考えてしまいます。ですが、男性ホルモンが多いことは、必ずしもモテることに直結するとはいえない現実があります。これについては、後ほどご紹介します。また、テストステロン値が高すぎると健康被害がおこるという指摘もあります。何事もバランスがあるということです。

推奨されているのは、栄養のバランスの取れた食事と運動です。食事でいえば、亜鉛や大豆などのタンパク質製品がテストステロンを促すといわれていて、最近ではビタミンDの摂取もテストステロンの分泌を促すという報告もあります。ただ、どれも単独で摂取してもその効果は十分には得られず、結局は偏りのない食事を心がけることが重要だということです。

また、運動とテストステロンの関係については、多くの学術的研究があります。とくに有酸素系の運動(水泳やジョギングなど)をおこなうと、テストステロンが分泌されるといわれています。ただ筋トレ(いわゆる無酸素系の運動)では、テストステロンが分泌されないという報告もあります。現時点では、運動がどのようなメカニズムでテストステロンと関わっているのかは、研究途上の段階ですが、運動することによってテストステロンの血中濃度が変化することが確認されていることから、今後さらなる解明が期待されています。

 

 


*大東製薬工業・男性ホルモンについて(http://www.daito-p.co.jp/reference/androgen.htm
*並木幹夫他:『加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)診療の手引き』泌尿器外科 = Japanese journal of urological surgery, 23(1), p51~54(http://dspace.lib.kanazawa-u.ac.jp/dspace/bitstream/2297/40239/1/ME-PR-NAMIKI-M-51.pdf
*山田茂他:『運動による骨格筋の肥大機構の文献的研究』実践女子大学 生活科学部紀要第49号,p191~201, 2012

 

 

テストステロンが多いとモテない!?

 

テストステロンは、モテホルモンとして紹介されることもあり、また先ほどの項目まで、テストステロンは、男らしさを象徴するホルモンとして取り上げてきました。しかし、ここでは、その逆でテストステロンが多いことが、必ずしもモテることにつながらないという一見矛盾した内容についてご紹介します。

これは、以前ご紹介した記事「【モテる男性講座その1】ズバリ提言モテ顔とはこんな顔だった!?」や「【モテる男性講座その2】モテ顔メンズの芸能人・著名人を一挙公開!」にもご紹介している内容と関連しています。テストステロンは、肉体的・精神的な男らしさをつくりあげるホルモンであり、そしてその影響は「顔」にも影響が出ると考えられています。モテる男講座の顔編でも触れているように、近年のモテ顔といわれる男性の顔の特徴は、男らしいというよりも中性的なフェミニン系の顔です。このフェミニン系の顔に対して、テストステロンの影響がつよくでる男らしい顔をマスキュリン系とよんだりしますが、

 

この顔の特徴は

■骨格がしっかりとしている

■えら・頬骨が張っている

■あごが大きい

■眉の部分が盛り上がって隆起している

というものです。いわばテストステロンの影響を大きく受けている顔立ちということになります。

 

それに対して、フェミニン系の顔立ちの特徴は

■えら・頬骨の張りが控えめ

■あごがシャープに尖っている

■眉の部分が盛り上がりが控えめ

 

といった感じで、全体的に穏やかで優しい印象を受ける顔立ちになります。

 

「フェミニンな顔立ちの男性が好まれる」ということを示す興味深い論文があります。例えば、D. I. Perrettらの「Effects of sexual dimorphism on facial attractiveness(性的二型が顔の影響に及ぼす影響)」といったものがありますが、これによると男性らしさを強調した顔立ちよりも、女性よりの顔の方が女性に好まれる傾向にあると報告しています。

しかし、ここにさらに面白い研究があります。それは、Penton Voakらの「Female preference for male faces changes cyclically: Further evidence(男性の顔に関する女性の好みは性周期によって変わる)」というものです。CGを使ってつくった顔を、男性的な顔・中性的な顔・女性的な顔と変化させながら女性に好みの顔を評価してもらうというものです。ここでは、排卵期の女性は男らしい顔を選ぶ傾向があるとしています。つまり、この時期にはテストステロンの影響をつよく受けた顔が、女性にとって魅力的にみえることを示していることになります。女性にとってのモテ顔は、性周期の影響を受けること、そしてそこにはテストステロンが関係しているということです。

 

 


*D. I. Perrett, et al.: Effects of sexual dimorphism on facial attractiveness, Nature 394, p884-887 1998(https://labs.psych.ucsb.edu/roney/james/other%20pdf%20readings/Perrett%25201998%2520Effects%2520of%2520sexual%2520dimorphism.pdf
*Brian M. Bird: THE EFFECTS OF EXOGENOUS TESTOSTERONE AND MATING CONTEXT ON MEN’S PREFERENCES FOR FEMALE FACIAL FEMININITY, Faculty of Graduate Studies Laurentian University,  2016(https://zone.biblio.laurentian.ca/bitstream/10219/2617/1/FINAL%20BB_OfficialThesisDoc_Final%20Aug%202016.pdf
*Masashi Komori et al.:Effect of averageness and sexual dimorphism on the judgment of facial attractiveness, Vision Research 49, p862~869, 2009(https://pdfs.semanticscholar.org/d3f4/2a04dd46a4b766d8ea3fbcca458513ea1108.pdf
*Penton Voak,  D.I Perrett: Female preference for male faces changes cyclically: Further evidence, Evolution and Human Behavior, Volume21(1), p39~48, 2000

 

 

 

テストステロンは諸刃の剣!?


テストステロンは、男らしさと関わるホルモンであり、モテホルモンといわれたりする理由もここにあります。しかし、テストステロンの影響にはもちろん個人差もあるといわれています。そしてテストステロンが多い人には多い人なりのメリット・デメリットが、そしてテストステロンが少ない人には少ない人なりのメリット・デメリットがあります。それは、テストステロンには、モチベーションやリーダーシップという素晴らしいはたらきがある反面、いわゆる「オス」としての本能に関わるホルモンであるため、「暴力的」、「浮気性」、「落ち着きがない」といった、ときにトラブルを招きかねない事態にもつながる可能性があるからです。

これについて、よく検討された本に、James McBride Dabbsの「テストステロン―愛と暴力のホルモン(青土社, 2001)」があります。このなかでもテストステロンが「愛と暴力」と一見すると相反するような性質をもっていることが述べられています。

ただ、テストステロンのメリット・デメリットをみても、あまり実際的ではありません。テストステロンは、先ほど触れたように多ければ「男らしさ」としての魅力があり、逆に少なければフェミニンなテイストの顔立ちや優しさという面でメリットがあるからです。ここでは、

 

①テストステロンの多い人のメリット・デメリット

②テストステロンの少ない人のメリット・デメリット

 

の2つに大別してみていきたいと思います。

※メリット・デメリットというと語弊があるかもしれませんが、わかりやすくするために、あえてこの言葉を使用したいと思います。

 

 

テストステロンが多い男性のメリット・デメリット

 

◎メリット

■独立心・自立心がつよい

■堂々としていて頼れる

■自身に満ちている

■競争心がつよく、向上的

■意思がつよい

■集中力がある

■リーダーシップがある

■肉体的にたくましく、性欲旺盛で生殖能力もつよい

 

◎デメリット

■好戦的

■反社会的な傾向がある

■自身に満ちている

■セックスの回数が多くなりがち(浮気性)

■家庭的ではない(浮気性や暴力的な傾向があるため)

 

といった傾向が指摘されています。

 

 


*James McBride Dabbs:『テストステロン―愛と暴力のホルモン』青土社 2001

*Markus J. Rantala: PHYSICAL ATTRACTIVENESS AS A SIGNAL OF BIOLOGICAL QUALITY, University of Turku, 2014(https://www.doria.fi/bitstream/handle/10024/97057/AnnalesB388Rantala.pdf?sequence=2

*Brian M. Bird: THE EFFECTS OF EXOGENOUS TESTOSTERONE AND MATING CONTEXT ON MEN’S PREFERENCES FOR FEMALE FACIAL FEMININITY, Faculty of Graduate Studies Laurentian University,  2016(https://zone.biblio.laurentian.ca/bitstream/10219/2617/1/FINAL%20BB_OfficialThesisDoc_Final%20Aug%202016.pdf


 

 

テストステロンが少ない男性のメリット・デメリット

 

◎メリット

■優しくて、穏やか

■安心感がある

■落ち着きがある

■人当たりが良く、人とのトラブルが少ない

■家庭的で、子供の面倒見もよい

 

◎デメリット

■競争心が低く、向上的でない

■決断力に乏しく、ときに優柔不断

■リーダーシップがない

■他力本願なところがある

■痩せている傾向があり、筋肉量も少なめ

■性欲がよわく、生殖能力が低い

といったことが指摘されています。

 

 


*James McBride Dabbs:『テストステロン―愛と暴力のホルモン』青土社 2001
*Markus J. Rantala: PHYSICAL ATTRACTIVENESS AS A SIGNAL OF BIOLOGICAL QUALITY, University of Turku, 2014(https://www.doria.fi/bitstream/handle/10024/97057/AnnalesB388Rantala.pdf?sequence=2
*Brian M. Bird: THE EFFECTS OF EXOGENOUS TESTOSTERONE AND MATING CONTEXT ON MEN’S PREFERENCES FOR FEMALE FACIAL FEMININITY, Faculty of Graduate Studies Laurentian University,  2016(https://zone.biblio.laurentian.ca/bitstream/10219/2617/1/FINAL%20BB_OfficialThesisDoc_Final%20Aug%202016.pdf

 

 

自分はどっち?テストステロン量を簡単チェック

 

テストステロンが多いか少ないか、それぞれに良いと思われる面と、そうでないと思われる面があります。ここまでみてくると、「自分はテストステロンが多いのか」が気になってくるのではないでしょうか。顔立ちや体格、あるいは性格などからも判断できるかもしれませんが、簡単にテストステロンの傾向を判断できる指標があります。それは、指をみてみるというものです。

これは、「示指環指比(じしかんしひ)」といわれるもので、別名「2D:4D比率」ともよばれています。2Dとは示指、これは人差し指のことです。対して、4Dとは環指で、薬指のことをいいます。結論からいえば、

『右手を甲側からみたとき、人差し指より薬指が長ければテストステロン値が高い』

ということをあらわしているといわれます。薬指の方が長ければ長いほど、テストステロン値は相関して多いと考えられています。これについては、いくつもの研究から示されているのですが、なぜそうなのかというメカニズムは明確ではないようです。しかし、「人差し指の長さ÷薬指の長さ」を計算したとき、比率が低いほどテストステロン値が高いことと相関することがわかっています。つまり、薬指が長いほど比率が低いほどテストステロン値が高いことを意味します。

右手の指を伸ばしてまっすぐにして、それを甲側(手のひらでもOK)からみてみてください。人差し指と薬指の長さを比べたとき、どちらの方が長いですか?ご自分の手をご覧になってみてください。

ちなみに女性の場合は、およそ1、男性は0.98程度だといわれています。

 

 


*串崎正輝・李強:日本人若者における示指環指比(Digit Ratio (2D:4D))と体格指数(BMI)との関連性について, 大阪物療大学紀要, 第2巻, 平成26年3月, p45~51(http://ci.nii.ac.jp/els/110009771615.pdf?id=ART0010267893&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1484899686&cp=
*堀田結孝・山岸俊男:最後通告ゲームでの拒否とテストステロンとの関係, 日心第75回大会資料, 2011(http://www.psych.or.jp/meeting/proceedings/75/contens/poster/pdf/2PM040.pdf

 

 

一目惚れにもテストステロン!?

 

ここで、さらにもうひとつ。魅力的な男性だからといって、いわゆる一目惚れ的に女性が惚れるということは少ないといわれています。最近、「一目惚れのメカニズムについてもテストステロンが関係しているのではないか」ということが、早稲田大学の研究グループによって発表されました(https://www.waseda.jp/fedu/edu/news/2014/07/17/916/)。

以前から、男性は視覚で恋をする傾向があるということがいわれていましたが、女性の場合は、一目惚れするケースは少ないといわれています。ここには、女性は恋愛からセックスに至るまでのケースにおいて、妊娠という心身の負担が大きいリスクを抱えているからだとする見解もあります。いずれにしても男性ほど視覚で異性を容易に受け入れるということは少ないとされます。これに関連する調査報告に、早稲田大学の森川友義教授による調査研究があります(森川友義:なぜ日本にはいい男がいないのか 21の理由』ディスカヴァー, 2007, p35~40)。ここでは、外見だけをみて「好みだ」と感じる異性、いわゆる「ストライクゾーン」に入る異性を判断してもらい、その確率が男女でどのくらい違っているのかについて、原宿、六本木、歌舞伎町、秋葉原といった街頭調査をおこなった結果が報告されています。

これによれば、女性の平均ストライク率は0.7%、逆に男性の場合は9.7%だったということが示されています。ちなみに女性が一目惚れする確率は0.05%、男性の場合は約5%とされていますので、その差は10倍以上です。男性は視覚で女性を判断してしまいがちですが、男性が思っているほど女性のガードは甘くないということでしょう。

 

 


*森川友義:『なぜ日本にはいい男がいないのか 21の理由』ディスカヴァー 2007

*早稲田大学教育学部「一目惚れの分子メカニズム 異性の存在が性ホルモンの分泌を変える仕組みを解明」(https://www.waseda.jp/fedu/edu/news/2014/07/17/916/


 

 

 

まとめ


テストステロンが男性にとってどんな影響を及ぼしているのか、それを男性の魅力という視点からご紹介しました。テストステロンというホルモン自体は、男性にとって「男らしさ」と深い関わりをもつホルモンです。そして、その量が多いか少ないかによって、男っぽい男性(マスキュリン)だったり、女性的な男性(フェミニン)だったりと、それぞれに特徴があるということです。どちらの男性が女性にとって魅力的かといえば、現代はややフェミニンよりに傾いているといえます。
ですが、女性には性周期があります。閉経前の成人女性であれば、一般には1か月に1度の排卵期があります。人によって排卵期の時期は違いますが、この時期には、女性はテストステロン値の高い男性に魅力を感じる傾向があるといいう報告もありました。これは、男性も女性も理性だけでは語りきれない、動物的本能が無意識のうちにはたらいているということかもしれません。

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