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筋トレダイエットは理論で攻める!【実践編|筋トレメニュー・食事の組み方・取り組み方】


筋トレダイエットの運動メニューの組み方、食事に関する考え方について解説します。エクササイズは全体で60〜90分程度のエクササイズにまとめるようにメニューをつくるのが理想です。また筋トレと有酸素運動は、必ずしも同じ日に取り組まなくても効果があるといわれます。食事の基本はタンパク質・炭水化物・脂質を一定の割合で摂取するのが筋トレダイエットの食事の考え方。キーワードはP・C・Fバランスです。筋トレダイエットのトレーニングの実際と食事の考え方について具体的にみていきましょう!

筋トレダイエットのメニューの組み方


筋トレダイエットの計画

 

筋トレダイエットをはじめるとき、まずは具体的にプログラムを計画します。前回までの筋トレダイエットのポイントを踏まえると「無酸素運動→有酸素運動の順番」で取り組みます。

しかし、急に筋トレすると筋肉にも負担が強すぎて、筋繊維を傷つけてしまう場合があります。筋トレの前には5〜10分程度の軽い有酸素運動やストレッチをしてください。

 

 

プログラムの目安時間は全体で60〜90分程度

 

無酸素運動と有酸素運動の時間は、自分の筋力・持久力に合わせて設定します。できれば無酸素運動・有酸素運動は、それぞれ30分〜60分は取り組むのが目安です。

実施する時間が短過ぎれば、脂肪燃焼の効果が不十分になります。逆に時間が長すぎると集中力が低下し、ケガしてしまったり逆効果になる場合もあります。

 

 

 

ウォーミングアップ→動的ストレッチ|クールダウン→静的ストレッチ

 

ウォーミングアップは歩いたり、小走りしながらストレッチするような動的ストレッチをします。身体を温めてエクササイズの準備に備えるのが目的だからです。スポーツ選手が試合前に反動をつけてストレッチしたり、軽いランニングをしています。動作を取り入れたリズミカルな運動が動的ストレッチです。

 

運動後は筋肉の疲労を回復させる目的で静的ストレッチをします。静的ストレッチは一般的なストレッチでOKです。ゆっくり時間をかけて運動で使った筋肉を伸ばします。静的ストレッチには筋肉の血流量を増やして、筋肉の疲労軽減・回復させる作用があります。

 


参考文献
※斉藤秀之・加藤浩「筋緊張に挑む―筋緊張を深く理解し、治療技術をアップする!(臨床思考を踏まえる理学療法プラクティス)」文光堂, 2015
※望月久・山田茂 「筋機能改善の理学療法とそのメカニズム-理学療法の科学的基礎を求めて-【第3版】」ナップ, 2014

 

 

効率重視の筋トレダイエットは大筋群にフォーカス

 

筋トレダイエットの目的は、脂肪燃焼を高めてボディラインを整えることです。筋トレとじっくり向き合って肉体改造するボディビルデングや、スポーツの競技能力をあげるのとは区別して考えます。

 

筋トレは余分な脂肪を解消する効率をあげるツールです。筋トレダイエットでは脂肪燃焼にフォーカスします。筋トレメニューも脂肪燃焼に貢献してくれる筋肉を優先的にトレーニングするのが得策です。

注目するのは筋肉の量が多い筋肉です。身体の筋肉は大小数えると400以上ありますが、とくに胸・背中・お尻・太ももの筋肉は大きな筋肉で「大筋群」といいます。

 

筋肉はエネルギーの消費量が高い組織なので、筋肉量が増えると代謝がアップして脂肪の燃焼効率があがります。

 

 

大筋群の筋トレはトレーニング効果を実感しやすい

 

「胸」「背中」「お尻」「太もも」などの大筋群のトレーニングは、筋トレのモチベーションを維持するうえでもメリットがあります。

筋トレしても効果がなければトレーニングを途中でやめてしまいがち。トレーニングに見合った効果を実感できると筋トレも続けやすいものです。

 

筋肉の強さは筋肉の断面積(輪切り状の面積)に比例します。腕が細い人より太い人の方が筋力は強いです。

筋肉は1つの筋繊維というヒモ状の細胞が集まった組織で、トレーニングしても筋繊維の数は変わりませんが、筋肉の繊維の太さは筋トレで変わります。

 

「胸」「背中」「お尻」「太もも」などの大筋群は筋肉の断面積が大きい筋肉なので、筋トレの効果も出やすく、例えばバーベルやダンベル運動のレベルが比較的早くアップします。

筋トレダイエットは単調作業の継続になりやすいので、トレーニング効果がみえると精神的な負担が減って続けやすくなります。

 

 

大筋群で白筋を効率よく鍛える

 

筋肉には瞬発系の運動に適した白筋という筋肉と、持久系の運動に適した赤金という筋肉の種類があります。白筋と赤金の割合のバランスは生まれつき決まっていますが、トレーニングで白筋と赤金の割合が変化します。

筋トレなどの瞬発系運動を続けると白筋の割合が増え、ランニングなどの持久系の運動を続けると赤金の割合が増えます。

 

大筋群は筋肉も大きく白筋の割合も多いといわれます。そして白筋にはダイエットの効果を高めてくれると考えられています。それは白筋に多く含まれる「UCP-3」というタンパク質が発見されたからです。

 

筋肉の細胞内にはミトコンドリアという組織があります。近年ミトコンドリアのなかにUCP-3(脱共益タンパク質-3)とよばれるタンパク質が発見されました。

UCP-3は安静にしているときに、脂肪や糖などのエネルギーを熱に変えて消費する作用をもつタンパク質です。肥満の予防と改善に作用する分子の1つとして注目されています。

 

ヒトは飢餓に備えてエネルギーを節約する遺伝子をもっているといわれ、この遺伝子は「倹約遺伝子(肥満遺伝子)」といいます。

これに対してUCPというタンパク質をつくる遺伝子は「浪費遺伝子」とよばれます。倹約遺伝子が多いヒトはエネルギーを貯めやすい体質(肥満しやすい体質)で、逆に浪費遺伝子を多い人はエネルギーを使いやすい体質(肥満しにくい体質)といわれます。

※UCPにはいくつか種類があり、筋肉に含まれているUCPをUCP-3といいます。

 

UCP-3は白筋に多く含まれているのが確認されていて、白筋を鍛えれば白筋内のUCP-3が上昇すると期待されています。

 

運動とUCP-3に関する研究のなかでは、運動後に白筋でUCP-3が増えると報告されているものもあります。反対に持久性の運動を続けるとUCP-3の発現が減少するという報告もあります。

持久系の競技ではエネルギーの無駄遣いを抑えるために、身体がエネルギーを節約しようとするようです。

 

白筋を鍛えると白筋中のUCP-3が増えて、安静時にエネルギー(体脂肪)を消費しやすくなる可能性が高いといいます。

反対に持久系のエクササイズだけを長期間取り組んでいれば、エネルギーの貯蓄に優れた身体、つまり体脂肪を貯めやすい体質になる可能性もあると考えられています。

 


参考文献
※斉藤昌之「胸骨中点高(E5)断面における骨格筋の機能解剖学的研究」昭医会誌51巻1号, p30~39,1991※市橋則明「筋力トレーニングの基礎知識-筋力に影響する要因と筋力増加のメカニズム-」京都大学医療技術短期大学部紀要 健康人間学別冊9, p33~39, 1997
※斉藤昌之「エネルギー代謝調節機構―UCPを中心に」第124回日本医学会シンポジウム資料, p62~70, 2003(http://jams.med.or.jp/symposium/full/124062.pdf
※春日規克・石道峰典・鈴木英樹・幸篤武「タイプ移行した筋線維の特性」愛知教育大学研究報告59(芸術・保健体育・家政・技術科学・創作編),p35~41, 2010

 

 

筋トレのメニュー設定は10回・1セットで組む

 

筋トレのやり方には方法がたくさんあります。筋トレの分類は80種類〜90種類ともいわれていて数も膨大です。もっともメジャーな方法で、しかも筋トレダイエットに活用しやすい筋トレ方法は最大反復法です。

 

1回のセット数を10回〜15回で組む筋トレです。とくに10回を1セットと設定するのが一般的です。

最大反復法は筋肉を極度に肥大させる筋トレ法でもなく、持久系に偏った筋トレでもありません。瞬発系と持久系のバランスをとったトレーニングです。

 

10回を1セットする筋トレは「10RM(テン・アールエム)」とよばれます。具体的にはダンベルやマシーンなどを使った筋トレで、「ぎりぎり10回反復できる重量」を設定します。

 

10RMは白筋を刺激する運動強度で、白筋トレーニングの有効なトレーニングの1つです。ボディービルダーのように筋肉が盛り上がった太い身体ではなく、いわゆる細マッチョを目指す人にも適した方法です。

 


参考文献
※日本体育協会資料「トレーニング理論と方法論 筋力トレーニングの方法」(http://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/ikusei/doc/k3-39.pdf

 

 

筋トレ頻度|目安は週に2〜3回

 

筋トレは筋肉の疲労の回復具合に合わせるのが基本です。筋トレすると筋肉の組織がダメージを受けます。筋肉の疲労・筋肉痛は筋肉を休ませるシグナルです。筋トレでは原則として同じ部位を連日でトレーニングしません。

ただし「今日は上半身、明日は下半身」といった部位を変えて筋トレする場合は連日でもOKです。

 

疲労・ダメージを受けた筋肉の回復には個人差がありますが、24時間〜72時間の休息が必要です。筋トレは2〜3日に1回のペースが頻度の目安になります。

 

ちなみに身体の負荷が軽い有酸素運動をする場合は、毎日取り組んでもかまいません。ウォーキングや軽いランニングは筋肉のダメージ疲労も少なく、回復時間も早いからです。ただし運動に慣れていない人で、軽い有酸素運動の後でも辛い筋肉痛などがあるときは十分に身体を休めてあげましょう。

 


参考文献
※日本体育協会資料「トレーニング理論と方法論 筋力トレーニングの方法」(http://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/ikusei/doc/k3-39.pdf
※AMERICAN COLLEGE of SPOTRS MEDICINE「ACSM Issues New Recommendations on Quantity and Quality of Exercise」(http://www.acsm.org/about-acsm/media-room/news-releases/2011/08/01/acsm-issues-new-recommendations-on-quantity-and-quality-of-exercise

 

 

有酸素運動は筋トレの翌日でもOK

 

筋トレダイエットを上手に取り入れる考え方として「筋トレの日」と「有酸素運動の日」を分けてやるのも方法の1つです。

普段の生活で筋トレダイエットを取り入れようとしても、仕事が忙しく「まとまった時間がつくれない」人もいます。

 

無理な運動スケジュールを立てると、途中で続かなくなってしまいます。それならば「筋トレの日」と「有酸素運動の日」を分けてやってもOKです。

 

ダイエットに筋トレを取り入れるのは、成長ホルモンによる脂肪分解作用を期待するからです。

成長ホルモンによる脂肪分解作用は筋トレが終ってからも長時間持続することがわかっています。

 

文献によって成長ホルモンの脂肪分解作用の継続時間は幅がありますが、筋トレを実施してから48時間ほど持続するといった報告もみられます。

成長ホルモンの脂肪分解作用で効率・効果的なダイエットを目指す筋トレダイエットでは、筋トレ→有酸素運動の順番を守れば、有酸素運動するタイミングは筋トレの直後でなくてもよいといわれます。

 

※資料:横浜市スポーツ医科学センター「肥満と減量(理論編) 知っておきたい肥満と減量の基礎知識【理論3】減量に筋力トレーニングが必要な理由」(http://www.yspc-ysmc.jp/ysmc/column/health-fitness/diet-theory-3.html)をもとに作成しています。
※無断転用を禁じます。

 

また有酸素運動ではマラソンや水泳、自転車など本格的に取り組まなくても日常生活の動作を有酸素運動と考えてもよいです。筋トレの後あるいは翌日は「通勤のときに歩く」「掃除・買い物といった家事を活動的にやる」といった動作を有酸素運動の代用にすると、忙しい人でも筋トレダイエットの効果が期待できます。

 

 

筋トレダイエットの筋トレはコレ


筋トレはビッグ3が◎|効果重視ならマストなメニュー

 

筋トレダイエットで取り入れるメニューとして、効率・効果を考えると「ビッグ3」といわれる王道の筋トレメニューが第1選択に挙がります。

 

ビッグ3は「ベンチプレス」「スクワット」「デッドリフト」という3つの種目にフォーカスして、3種目だけ取り組む筋トレ法です。

 

 

ビッグ3がターゲットにする筋肉は大筋群です。筋肉量が多い「胸」「背中」「お尻」「太もも」の筋肉をメインに刺激しながら、ほぼ全身に刺激が加わる効率面に優れた筋トレ法です。

 

 

ビッグ3の3種目・概要

 

■ベンチプレス:大胸筋を中心に上半身を刺激

■スクワット:太もも、お尻を中心に下半身を刺激

■デッドリフト:背骨の筋肉を中心に背中の筋肉を刺激

 

ビッグ3に取り組むときは、ジムにあるマシーンや、ダンベルやバーベルを使ったトレーニングでもいいですし、器具を使用しないで自重(自分の体重)でやってもかまいません。

ただトレーニングを重ねていくと、筋肉が強くなり自重(自分の体重)だけでは十分に筋肉を刺激できません。回数を増やして負荷を強くするか、いずれは器具を使用して筋トレに切り替える時期がきます。

 

ビッグ3に関する具体的なやり方については、関連記事「短期間で驚異の効果を実感したいなら、ビッグ3でボディメイク!」に詳しく掲載されています。参考にしてみてください。

 

 

筋トレダイエット中の食事


食事はPCFバランスに気をつけて

 

食事はダイエットするとき運動と同じく重要です。いくら運動を頑張っても、不摂生に脂質や糖質を摂りすぎると筋トレダイエットは成功しません。過度の食事制限は身体によくありませんが、ある程度の食事の制限は必要です。

 

ダイエットに関する食事の応用的な考え方は諸説ありますが、考え方の基本は共通しています。ポイントはPCFのバランスに気をつけことが重要です。

 

・P:タンパク質(Protein)

・C:炭水化物(Carbohydrate)

・F:脂質(Fat)

 

上記の3つの栄養素は三大栄養素といわれる身体の基礎になる栄養素。さらにビタミン類・ミネラル、そして水分を適切に補給するのが肉体づくりの基本です。

 

ダイエット中の食事はカロリーベースで計算します。摂取カロリーが消費カロリーより低くなるのが目標です。

ライフスタイルによって活動量が違うので、摂取するカロリーの目安も人によって変わります。20〜40代男性の場合の摂取カロリーの目安は以下のとおりです。

 

※資料:表は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)|エネルギー」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000041824.html)の内容をもとに作成しています。
※無断転用を禁じます。

 

1日の摂取カロリーの「タンパク質」「炭水化物」「脂質」の理想バランスは、タンパク質13%、炭水化物から60%、脂質27%といわれます。この値になるようにP・C・Fのバランスを考えるのが理想的な栄養バランスです。

 

※資料:グラフは農林水産省「食生活や食料消費の実態の調査結果(中間報告)」(http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/pdf/siryo2-2.pdf)の内容をもとに作成しています。
※無断転用を禁じます。

 

筋トレと食事に関しては下記の関連記事に詳しい解説がありますので、ぜひ参考にしてみてください。プロテインの基本知識・効果的な活用法についても説明されています。

・「【筋トレと食事のAtoZ】効果を格段にあげるために欠かせない効率アップの食事ハック

・「【ボディメイクとプロテイン】肉体改造を本気で考える人の筋トレ効果論

・「【トレーニング×プロテイン】効果を高める選び方&活用術

 



参考文献
※厚生労働省「日本人の食事摂取基準 2005年度版」第一出版, p28~38, 2005
※糸川嘉則ほか「栄養学総論 改定第3版」南江堂, p141~164, 2006
※Roberts SB et al「Energy requirements and aging」Public Health Nutr,8, p1028~36, 2005
※橋口満「スポーツ栄養学 : スポーツ選手の健康管理と競技力向上の基礎」体育學研究 44(1), p1~12, 1999
※日本体育協会「アスリートの栄養摂取と食生活」(http://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/ikusei/doc/k3-34.pdf

 

 

 

まとめの補足図

まとめ


筋トレダイエットのメニューの組み方についてご紹介しました。トレーニングの効果が実感できるまで2〜3ヶ月は運動を続けなければいけません。「継続」が重要な筋トレダイエットでは、まず大きな筋肉をターゲットにして筋トレ効果を実感しやすくします。
大きな筋肉にフォーカスするのは白筋を上手に鍛えるのがポイントです。そのため筋トレでは10RMの考え方を取り入れます。
有酸素運動は筋トレの直後でなくてもよいとされます。普段の生活のなかで車を使わず、自転車やウォーキングなどの有酸素運動をするのもOKです。
食事についてはPCFのバランスに気をつけるのが筋トレダイエットのポイントです。ダイエットに関しては厳すぎる食事制限はトレーニングの挫折にもつながります。上記の表を参考に適切な栄養バランスに気をつけて取り組んでください。

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